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第196話 みんな集まる
白浜ベースに戻って来た。なんとなくロックバーが溜まり場になっている。
下○沢の連中が来た。亮のBMWが痛車になっている。完成したのだ。
「すごい、カッコいいな。
エイトドッグスのイラストだね。」
「著作権が使わせてもらえるからね。」
「宣伝になってる。」
お互い、ウインウインなのでうるさい事は言わない。エイトドッグスも有名になって来た。
そこへ、F市の涅槃寂静、のメンバーもやって来た。
「お、今日は大入り、だね。」
DJタイジが双方を紹介した。
タトゥーだらけのヒロシたちと、ピアスだらけのボス山崎が、ガンを飛ばしつつ、挨拶している。
ジュネが早速、亮を見つけた。
普段はルッキズム、とか批判的でもイケメンは大好物だ。
「いい男。あなた、なんて呼んだらいい?」
「キングクラッシャーの亮よ。アタシはミカド。」
横からミカドがサッと割り込んできた。
「ふうん、下○沢、おしゃれな所だね。
あんたたちはラッパー?」
「ああ、ま、いろいろ。」
今日は犬たちも来ている。
「犬、大丈夫?」
八犬士は賢くおとなしい。ジュネが大角に抱きついている。
「会いたかったよ。わ、キスしてくれるの?」
ジュネは大きな大角に夢中だ。
派手な客が次々に現れる。
奥の席に座った三郎と聡が
「謎は謎のまま、らしいね。
荒ぶる魂、くんはどう理解したの?
どの辺に興味ある?」
「うん、全部かな?初めから終わりまで。」
「そうだよね。
人の心は、宇宙とシンクロしてる。」
ジョー先輩が三郎の飲み物を持って来た。
「サブ、酒飲めるかい?」
「うん、ビール以外なら。」
「そう思ってファジーネーブルにしたよ。」
「桃の香りのオレンジジュース?」
「そう、ペシェ。桃のリキュール。甘いだろ。」
「聡も飲んで見る?」
三郎が口移しで一口くれた。キスしたって事だ。
「わぁっ。」
思わず飲んだカクテルは甘酸っぱい味がした。
「嫌じゃなかった?」
タカヨシ以外の人とキスするのは初めてだ。
「おまえ、大胆だな。ヤキモチ妬いてもいいか?」
ジョー先輩が笑っている。
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