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第205話 古着かヴィンテージか?
聡とタカヨシは二人で買ったピアスがやっと付けられるようになった。ピアスの穴を少しずつ育てて、格好ゴツい太さで目を引く。
ジョー先輩が目ざとく見つけて
「お、カッコいいねぇ。二人でお揃い?
俺もサブと付けようかな。」
タカヨシはオシャレでいつもカッコいいから似合ってる。ポール・スミスの皮ジャンにもテイストが合っている。
いつものロックバーに亮たちがいる。
「下○沢には古着屋がたくさんあるんだろ?
見に行きたいな。」
「下○沢の古着屋は、スゲェ高いんだよ。
ヴィンテージのジーパンなんかマジに20万30万するの普通だ。」
「亮たちの着てるのもそんなに高いものなのか?」
ミカドが嬉しそうに
「そんなにしないよ。僕が目利きだから、友達から買ってる。」
ロンドンから送ってもらってるらしい。
「昔、古着屋を親がやっていて、全部引き継いだ奴がいるんだ。」
「俺のヤサに見に来いよ。」
そんな話で下○沢の亮のアパートに行く事になった。
古着といってもブランドとか、出来た年代が大事だそうだ。
白浜ベース近辺には古着屋なんてない。あっても田舎の住人はへんなイメージを持ってそうだ。
「何が悲しくてそんな着古した物を買うんだ?」
と言うのが大方の意見だろう。
亮の部屋にミカドが色々な服を広げてくれた。
「70年代のロックバンドのTシャツが人気なんだ。メイ先生ならよく知ってるかな。
今度、誘ってみよう。」
「え?この古いTシャツが三万もするの?」
聡は驚きの声を上げた。
「オレみたいな、田舎の貧乏人には買えないなぁ。」
「俺の友達がネットで通販やってるけど、意外と地方の人がたくさん買ってるよ。」
「みんな憧れてんだよ、都会のセンスに。
悔しいから言わないけど。」
「古着っていうのは、微妙に知ってるブランドじゃないと面白くねぇ。でも、みんなが着てるのはダサい。知る人ぞ知る、掘り出し物がいいんだ。全く知られてないと面白くねぇんだ。」
「それで、この凄い値段なんだ?」
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