209 / 256
第209話 高額ハンバーガー
この辺りでは見かけない連中が改造者と改造バイクで集合している。
よく車検通したな、と思う族車が集まって来た。勝手に騒いでいる。
『無頼庵』に来たアニメファンに絡んでいる。「可愛い娘、いるじゃん。レイヤーさんか?
露出の多いコスプレ、頼むよ。」
剃り込んだ頭にタトゥーを入れたアホそうな輩が絡み始めた。
一般客もいるのだ。寂れる一方だった白浜も、やっとアニメ、エイトドッグスのおかげで、賑わい始めた。イメージが悪くなるのは避けたい。
「ねえ、そこのキミ。頭タトゥーのにいちゃん。
あんた達のリーダーどこにいんの?」
突っ張ったフィメールラッパーの格好のサイコが言った。
「俺たちのリーダー?ここは仲良しこよしの幼稚園か?さて、ボスはどこでしょうね。」
「のらりくらりとこんにゃくみたいなやつだな。
群馬から来たのか?」
イムランが飛び込んで来た。インフォメーション代わりの『無頼庵』だ。みんな頼る。
「オショーはいない?キッチンカー壊されたよ。
私、警察に言うよ!」
見慣れない派手なキッチンカーが入って来た。
旧車のバカでかいシボレーエクスプレスだ。キッチンカーに改造されている。
イムラン達のキッチンカー指定の場所に、予約も断りもなく割り込んで来て看板を出したらしい。バカでかい車体がイムランのケバブ屋を引っ掛けて、ドネルケバブのグリルを倒した。
美味そうな肉の塊が砂まみれだ。看板に「横浜」の英字が書かれている。横浜を名乗る田舎者は多い。
ゾロゾロと人相の悪い輩が出て来た。
地元で人気の「シルクわたあめ」の千葉さんが
オショーと警察に連絡した。一応オショーがベースの責任者のようになっている。
態度の悪い連中が物珍しそうに歩き回っている。ハンバーガーの看板を出した。
ハンバーガー1980円。チーズバーガー2050円。チョコレートパフェ2500円。これらを立食いで食え、と言うのか?都会の一等地の洒落たカフェの値段だろう。下○沢だってこんなに高くない。地元の民宿のキッチンカーで評判のフレンチトーストだって500円だ。
店舗のない屋外のキッチンカーの値段ではない。
「いらっしゃい。高いって?
ウチは一流なんだよ。食材が違うの。
わかんないだろうけど。」
ともだちにシェアしよう!

