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第211話 上等だ!

「古着屋、ここにもあったらいいなって話してたんだ。オショーに相談しようって。」 聡がオショーに説明した。 「いいルートで信頼出来る品物が入るんです。」 ミカドもロンドンの友人の話をした。 「日本が中国人に買われている。土地とか水源とか。この頃、酷い。気になっていたんだ。  中国人と言ってもいろんな人がいる。何しろ巨大な国だ。でも彼らの国の富裕層はタチが悪い者が多い。  中国四千年の歴史と文化は尊敬に値するが、成金のようなインバウンドで旅行に来ている中国人のマナーの悪さは目に余る。  ついに、白浜ベースも目をつけられたか。 忸怩たる思いだ。」 オショーにしては珍しく感情を露わにしている。    翌日、またあの金平が来た。 「どうですか? 私たちにも商売させてくれる気になったか?」 「ここは第三セクターに殉ずる地域だから、私の一存ではお答え出来ない。  市の持ち物なんだ。市議会に通さなければ。」 オショーはまじめに手順を示した。 「ああ、私も政治家の知り合いがいるから聞いてみるよ。何事も時間がかかるのは日本のダメな所ね。もっと頭、使うといいね。」 勝手な事を言って帰った。  白浜ベースでは、輩が嫌がらせを始めていた。 もともと北関東あたりに住んでいる若い奴らが金平に金をもらって暴れに来ているみたいだ。  改造車でビーチロードを猛スピードで駆け抜ける。白浜界隈は信号が少ない一直線だから、とばせるのだ。以前は走り屋のサーキットと呼ばれていた。この辺りがまだ、賑わっていた頃だ。今は寂れて静かになったが。 「寝た子を起こす」事になった。夜な夜な爆音と共にビーチロードをかっ飛ばす連中が増えた。 「中国のSNSに載ってるよ。ここ、スピード出せる穴場だってさ。」  東○警察で一斉に検挙したら、中国人が多かった。 「ひでえな。治安が悪くなった。 悪そうな奴はみんな知り合い、だったのに この頃は俺たちに挨拶無し、じゃね。」  五月雨のスカGが狙われた。 「あーあ、ひでぇな。」 「煽りだ。囲まれて動けなくなった。 車降りて引き摺り出してぶん殴ったら、その間に車ボコボコにされた。」    痛車狩りが始まった。

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