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第215話 ホモセクシュアル
「人権侵害ですね。お帰りください。」
一先ず、問題に出来ないと判断したのか、ゾロゾロと帰って行った。
子供たちも興味津々で白浜ベースにやって来るからPTAも無視出来ないらしい。
今まで寂れ放題だった白浜海岸が一気に有名になり、地元では町おこしと、期待されていた。
子供たちもアニメが大好きでここが聖地になるのが嬉しいらしい。
痛車は大人気だ。聡の同級生の内田と永島が自分の車をエイトドッグスのイラストで痛車にした。海岸の駐車場に数台停まってるのは圧巻だった。それを目当てに来る観光客も増えた。撮影は自由だ。
いつも遊びに来る白浜小の子供たちが『無頼庵』に話があると、入って来た。
おかまのフレディはトークが面白くて子供たちに人気なのだ。自ら「おかま」と自称している。
「フレディ、聞いて!
今日学校で朝礼があって、校長先生が言ったの。」
いつも来る少年が、半泣きになりながら、話してくれた。
子供たちは、親か、大人と一緒でないと、白浜ベースに来てはいけない、と言うのだ。
遊び場として解放していた白浜ベースを、いかがわしい人たちが出入りするから、近づいてはいけないという。
「僕、アニメのエイトドッグス、大好きなのにテレビ見ちゃダメだって。」
『無頼庵』にいるケノを撫でながら、涙を流している。
「痛車見に来るの好きなのに。」
不良の溜まり場だから子供は来てはいけない、と言う事らしい。
『無頼庵』ではコスプレの製作をしているメンバーがいつも面白い格好をしているのが人気だ。
それを観にくるお客さんも多い。子供たちも邪魔をしない限り、歓迎だった。
たまにツイていれば、痛車で近くを一回り、乗せてもらえる事もあった。子供たちの楽しみなのだった。
親たちは噂話をしていた。
「ホモですって。気持ち悪い。」
「中学の先生だった人もホモだったんですよ。」
オショーは『無頼庵』に入ってくるなり、嘆きの声を上げた。
「なんて事だ!ここには文化はないのか?
人類の叡智は?」
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