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第218話 一枚岩

 金平が輩を抑えて札をいくらか置いて帰って行った。何でも金で解決、マナーは、なってない。 「私の品物も、委託したい。いい商売になるね。 今度若いもんに運ばせるよ。」 と言葉を残して帰って行った。 「大丈夫か? 何か揉めてたみたいだが。」 オショーと五月雨が駆けつけて来た。 「あら、ありがとう。メイ先生ね。いい男。」 ジャンボちゃんはうっとりしていたが、金平が何か不穏な品をここに置きたいらしい、と話した。 「気をつけて。何か持って来たらすぐに警察に見せた方がいいな。」 「あいつらも一枚岩じゃなさそうですよ。 北関東の若い奴に聞いたんだけど。」  五月雨は北関東に住む友人のロジャー五十嵐に聞いていた。  北関東は以前、暴走族がたくさんいたが、今は落ち着いてマイルドヤンキーとか言われるようになった。家族を乗せてアルファードなんかに乗っている。 「二十歳過ぎたら卒業ッス。落ち着かないと後輩に笑われる。」  みんな、結構、肉体労働に従事して、まじめに家庭を持つようだ。結婚が早くて子供も多い。  日本の少子化対策に、彼らは貢献している。 わりと堅実な人生設計を考えているらしい。 家族を大事にしている者が多い、と言う。 「それと頑張って働いて人手不足の現場を助けている外国人がたくさんいるのに、何で日本人は排除しようとするのか!と言っていたな。」  どこにでも、ひどい人はいる。差別と偏見はなくならない。国の違いでは無い。肌の色が違うだけで偏見を持つのは恥ずかしい事だ。 「この頃、みんな意地悪になった。」 と、白浜ベースに来る子供たちが言っている。 「みんなが同じ考えじゃ無いからと言って、仲間外れにするのは間違いだ。」 子供たちはわかっている。わからないのは大人の方だ。 「オショー、買い被らない方がいいよ。 強かな奴もいる。子供は天使じゃ無い。」 元教師の五月雨は苦言を呈する。 「すぐカテゴライズするのは危険だな。 子供は案外保守的だ。ゲイなんか理解出来ないだろう。」

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