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第227話 ディスコと駄菓子
懐かしい曲がかかる。踊れるソウルミュージック。
オショーが
「本格的な踊れるディスコを作るか?
クラブとかじゃなくて。」
玉梓がついて来て
「また、教育委員会に目を付けられるわよ。」
通りがかりの人がみんな挨拶していく。
学校が終わったらしい子供たちが集まって来た。駄菓子が目当てのようだ。
中に一際広いスペースが、駄菓子のために取られている。
昔は駄菓子屋さんの奥にモンジャ焼きの鉄板がある店があった。安くて美味しい懐かしい味だった。おでんも置いてあった。安かった。
今では保健所の許可が降りないだろう。
「串に刺さったおでんのこんにゃくが10円とかだった。モンジャなんかも10円分から注文出来たっけ。具は何にも入ってなくて、工夫して駄菓子のイカなんか入れるんだ。チキンラーメンとかも砕いて。10円の小袋があったな。」
「らーめんババア!」「そうそう!」
「おばちゃんの秘伝のソース味が妙に美味かった。」
サーフショップのコージさんと元ハードロッカーの大谷啓ちゃんはオショーと同級生、79才だった。骨董品的(?)思い出話だ。
ロックバーの咲耶さんがギタリストの犬遠藤さんを伴ってやって来た。
「何だか、ここ、溜まり場になってるね。
ウチは夜にならないと開かないから。
懐かしい、駄菓子、何か買いたい!」
ジャンボちゃんが忙しそうだ。
「初めまして。『無頼庵』の玉梓です。」
オショーが
「私の妻だよ。」
「そうだった。オショーこの前、結婚したんだった。78才で新婚になったんだね。」
琥珀とサイコに冷やかされている。
「このお綺麗な方は人妻だったのね。」
ジャンボちゃんが感心している。
「今夜、ウチのロックバーで
スペインナイトだよ。
粟生ちゃんがフラメンコ踊るよ。
F市の涅槃寂静のボスが歌ってくれる。」
「犬遠藤さんのギターが生で聴けるなんてラッキー!」
ジャンボちゃんも喜んでいる。
白浜ベースに新しい風が吹く。
海岸側の駐車スペースに痛車が勢揃いしている。
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