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第230話 二人の時

 歩きながら手を繋いだ。酔った頬に夜風が気持ちいい。 「琥珀は僕といると楽しいか?」 「突然何?」 立ち止まってキスをした。五月雨の癖、バードからのディープキス。  軽く啄むようにくちづけて、だんだん激しくなる。いつになっても慣れない。ドキドキする。 「可愛いな、琥珀。」 「メイとゆっくり話をするのも好きだよ、ベッドの中で。」 「うぉー、早く帰ろう。」 繋いだ手に力が入って急ぎ足になった。  いつからだろう、この家に琥珀がいるのが当たり前になった。手を伸ばせば届く所にいてくれる。 「おいで。」 風呂上がりに髪を乾かした琥珀がベッドに入ってくる。 「一緒に風呂に入りたかったのに、今日は一人がいいなんて、冷たいな。」 「違うよ。ちょっと恥ずかしかったんだ。」  ベッドに入ってくる時はいつも裸が当たり前だった。 「琥珀は何でTシャツなんか着てるんだ?」 「メイだって軽くゆかたを羽織ってるじゃん。」  ペロン、とTシャツを捲り上げられた。 五月雨の唇が胸を這う。片手が股間を弄る。 「もう、こんなになってる。」  「自分で後ろも解して準備したんだ。早くボクサーブリーフを脱がせてほしい。」  いつも五月雨がしてくれる。 「準備してあるんだね。僕が欲しかったの?」 「うん、誰かに取られそうだった。」  熱心にジムに誘ってくるプロボクサーの堂島さんの事がずっと気になっていた。   五月雨を見つめているのが嫌だ。 「あの人、きっとメイに一目惚れだ。 俺、わかっちゃったんだ。」 「そんな事、全然無いよ。琥珀は可愛すぎる。」  ギュッと抱きしめられた。 「他の誰ともしないよ、こんな事。」 五月雨の指が入ってくる。触られてると思うと興奮が止まらない。 「俺も触らせて。」 もうギンギンになっている。 「メイも欲しかった?」 「僕はいつも琥珀が欲しいんだ。」 そう言って口で愛してくれる。 「あ、出ちゃうよ!」 飲み干してくれた。指が後ろを探っている。 「解れてる。もう入れてもいいかい?」 後ろをさわられて、また勃ちあがって来た。

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