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第236話 目が眩む
こんなにセクシーだと思わなかった。身体の奥まで見せるものだなんて。
一番前に座っていたサブが頭に脱いだTバックの紐を乗せられた。今まで性器に食い込んでいた紐は少し湿っていた。
帰りがけに見知らぬおじさんに
「それ、売ってください。」
と言われた。飛鳥の体液がついたバタフライは高値で取り引きされるらしい。
「ふう、僕感じちゃった。
ゲイの自覚あるのに。」
「プロだなぁ。どんな男でも勃起させるってネットに出てた。」
黒子のスタッフに、楽屋で飛鳥さんが待ってると言われた。
「楽屋だって。行ってみる?」
二人で楽屋を訪ねた。楽屋は送られたらしい花だらけだった。むせかえるような花の香り。
「わっ、すごい。」
「いらっしゃい。山崎から伺っていますわ。
ピアスがお好きだそうね。」
「いえ、あまり知らないので、教えを乞いたいと思って参りました。」
「私のを見たいって夫に言ったのね。
どう、よく見えた?」
主にしゃべっているのはジョーだったが、今度はサブが答えた。
「はい、あんな敏感なところにピアスなんて痛くないんですか?」
細い指で頬を撫でられてサブはドキドキした。
ジョーには触って欲しくない。なんかイヤだ。
綺麗すぎるのだ。
「いつも感じるようにって夫が付けてくれたのよ。私の感じるところを全部知ってるの。身体中。」
サブもジョーも感心してしまった。
「夫に愛されてるの。
おまえは綺麗だから、みんなに見せなさいって。
自分が独り占めしてはいけないんですって。」
そんな愛の形があるんだ。ジョーとサブはまだまだ自分たちが未熟だと感じた。
「あのう、邪魔じゃないんですか?」
「外せるから。夫に外してもらうのよ。それに
夫はペニスに真珠が入っているわ。」
「あ、それも痛そうですね。」
「ふふん、痛いうちは、まだ子供ね。」
サブはちょっと傷ついた。ジョーが笑って
小さな声で
「俺は入れないよ。大丈夫。」
聞こえた飛鳥さんが笑っている。
「全部愛してもらいたいでしょ。
身体中知らないところはないくらいに。
全てを見せたいのよ。」
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