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第240話 隠しきれない
「ジョーは飛鳥さんが忘れられないそうですよ。」
サブはつい余計な事を言ってしまう。
ボスが
「そんな妄想を抱くなら、飛鳥と寝てみるかい?」
「なんて事、言うんですか?」
「ああ、飛鳥はいつも浮気してないと収まらないんだよ。相手してやってくれ。」
「やめてください!ジョーはあげないよ。
僕の、だ!」
サブは必死だ。
ジョーが飛鳥さんから目を離さない。
「ジョー、しっかりして、ジョー。」
「俺はしっかりしてるよ。」
「ボス、なんとかして。」
「ああ、飛鳥は発情している。
ジョー君宥めてやってくれ。」
「ボス!なんて酷い事言ってるんですか⁈」
「いつもの事なんだよ。
ニンフォマニアなんだ。
私一人じゃ満足出来ないんだ。」
「そ、そんな・・病気なんですね。」
(それであんなにセクシーなんだ。)
「ストリッパーがみんなニンフォマニアではないよ。飛鳥は特別なんだ。」
ジョーにしなだれかかっている。
「ダメ、ダメ!飛鳥さん、ジョーはやめて。」
「じゃあ、三郎ならいいの?相手してくれる?」
「えっ?それは・・ダメでしょ。
ボス、誰でもいいんですか?」
ボスは苦い顔をしている。
「君たち両方とも飛鳥の好みなんだよ。
抱いてやってくれないか?」
「そんなのダメです。ボスだってイヤでしょ。」
モメているのが聞こえたのか、司書の女性がオショーを呼んだ。
「何やってるんだ。」
オショーが五月雨を連れて入って来た。
飛鳥が五月雨から目を離さない。
「素敵な方ね、どうかしら、今夜。」
五月雨は慣れた様子で肩を抱いてソファに座らせた。女性の扱いが上手い。
「僕はゲイですよ。ゲイも長い。
女性はダメなんです。勃たないんだ。」
五月雨の首に抱きついて
「まあ、私が勃たせてあげるわ。」
妖艶な身体を押し付けてくる。
「今はやめなさい。皆さん、驚いているよ。」
飛鳥は五月雨の手に小さな名刺を握らせた。
「プライベートな連絡先が書いてあるわ。
連絡、待ってる。」
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