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第247話 古着
「よーっ、みっちゃん。この前乗ってたクラウン、痛車にするんじゃねぇの?」
古着屋にいた聡に声をかけられた。
「すげぇ、ジーパン、20万もすんの?
俺、古着屋やりてぇ!」
値段だけ見て興奮している。
「クラウンは組のだから、ダメだって怒られた。
古着、儲かりそうだな。
あっちのも見て来るわ。」
中国人の古着屋のほうへ行った。
「ふざけんな!
こんなバッタモン並べやがって。
高えんだよ!
Tシャツが4万円だって。
本物かよ。」
醜のところの若い者が石田をズラリと取り囲んだ。みんな強面のツラをしている。
「な、なんだよ。俺はM会の石田だ。
覚えてろよ。」
「ケンカ売るな、って。
おまえ空気悪いんだよ。」
亮たちが笑っている。
「石田、紹介するよ。
下○沢のキングクラッシャー、亮とミカド、
ヒロシとタツヤとアツシだ。」
「おうっ、東○のM会の石田だ。
肩の金太郎を覚えておけよ。」
相変わらず、和彫り自慢しかない。
それでも「黄泉がえりのみっちゃん」
としてアニメ界隈では有名だ。
戻って来た石田に
「ダサいカッコしてんな。
ウチの商品でコーディネートしてあげようか?」
ミカドが言い出して服を選び始めた。
「いきなりヴィンテージのジーパンとか高いから、無難なセットを組むよ。」
石田は嬉しそうに店の中に入って来た。
ダメージデニム、黒いロンTにレザージャケットというあまり都会的ではないコーディネートが出来上がった。
タカヨシと被るが、カッコよさは全く違う。
背が高くてスタイルのいいタカと、石田では似たようなテイストでも全く雰囲気がちがう。
聡は、いい勉強になった。
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