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第5話

何回、あの感覚を味わったのだろう。思考も、視界も呼吸さえも不明瞭の中、お父様は満足したのだろう。やっとお父様の一物がお腹の中から抜かれた。塞き止めるものが無くなった菊門からはとめどなく白い液体が零れる。快楽の余韻でぶるぶると身体を震わせているとお父様に頭を撫でられた。 「よく頑張ったな。ご褒美をあげよう」 お父様はそう言うと、出口を塞いでいる金属の棒を思いっきり抜いた。 「…っ!?んんんー!んんっー!」 その瞬間、思考も視界も真っ白に染る。玉の中に溜まっていた快楽が一気に出口から吹き出した。圧倒的な解放感と快感に身体を仰け反る。永遠とも思える程の長い長い時間、僕の一物は出口から溜まりに溜まっていた白い液体を吹き出していた。 「っ…!んんー!」 ビクビクと身体が震える。気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。それ以外に考えられない。もうそれ以外考えたくない。そんな感情が身体を支配していた。 「前からも後ろからも精液をこぼしてみっともないな」 お父様の嘲笑の声さえも、遠い。ただひたすらに快楽に責め立てられていた。漸く、僕の一物は白い液体を零さなくなった。息を荒く吐いているとお父様が僕に手を伸ばす。口を塞いでいた猿轡が外された。 「どうだった?」 何をとは聞かずともお父様の質問の意図は理解していた。僕は酷く掠れた声でお父様が望む言葉を吐く。 「とても気持ちよかったです。お父様、愛してます」 「あぁ、私も愛しているよ。優人」 お父様は優しい微笑みで返してくれた。それに心臓の鼓動が早くなるのが分かった。いつもこうなのだ。お父様達に愛していると言われると心臓が痛くなる。病気なのだろうか。お父様達に相談した方がいいのだろうか。そんな事をぐるぐると考えていると片足が解放される感覚を覚えた。お父様が太ももを括っていた縄を解いてくれたのだ。もう片方も解いてくれる。高く括られた足が勢いよく落ちないように解かれた両足を持って床に下ろしてくれた。次いで柱に括り付けられていた両手の縄も解かれる。 「さぁ、疲れただろう。もう眠りなさい」 お父様の暖かい掌が瞼を覆うように優しく触れる。その言葉に促されるまま睡魔がやってきた。ふわふわとした意識の中、 「おやすみなさい、お父様」 と告げ、睡魔に身を任せた。

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