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第21話※

結局暴走してしまった。自分は意志が弱い人間だ…と、オーウェンは反省していた。 何度目かのセックスの後、好きな人の身体もベッドもドロドロになっているのを見てオーウェンは焦った。 元々性欲は強い方であるが、こんな何度も射精するなんて初めてである。 セックスなんて汗や精液で、ぐっちゃぐちゃになることだ。二人でセックスを何度もしているから、今や部屋は暑いしぐちゃぐちゃだし…と酷いことになっている。 このまま暴走し続けると、ロランに嫌われてしまうかもしれない。だけどロランはそんなオーウェンの気持ちに構うことなく、無邪気に甘えまくってくる。 「オーウェンさん、そばにいて?ぎゅーってして欲しいです」 「ロラン、ぎゅーってするとまた俺は、その…こうなっちゃうだろ?」 「なんで?だめ?」 「ダメじゃないよ!ダメじゃないけどさ〜俺だってぎゅーってしたいよ?だけどさ、うーん、ほら…な?」 このやりとりも、もう何度目かのターンである。ぎゅって抱きしめたい、俺だって抱きしめてキスして、好きだよって言い続けたい。だけどそうなると下半身がまた暴れ出すから困っているんだ。 やっと暴れる下半身を抑え、ロランをシャワールームまで運び、二人でシャワーを浴びても「うふふ、オーウェンさんって肩幅広〜い!」とか「うわぁっ!胸板厚い〜」ってロランがキャッキャと触ってくる。 「こら〜ロラン、そんなことするとまた俺が暴れちゃうだろ?」 「こんなことって〜?うふふ、ここ…好き凄い筋肉ですね。チュッ」 胸板が厚く筋肉質だと言い、チュッチュッとロランが抱きつきながらキスをする。シャワールームにキスの音が響きまくる。 「だ、だめだって〜、ロラン〜」 「だって好きなんだもん。腕も好き。男らしいですよね〜。チュッ」 「こ、こら〜。よし、そんな悪いことするんなら俺もするぞっ。俺はここが好きかなぁ〜。柔らかいよな、白くて可愛いし」 前から抱きしめてロランの尻を鷲掴みにした。両手で尻を揉むと、もにもにとして本当に柔らかい。それに肌がスベスベである。ロランの尻の柔らかさに夢中になり、両手で左右に尻を広げて揉み倒す。 「や…やぁぁん、えっち…」 「えっち…って、ロランが触るからだろ?」 「ち、違う。お尻の…触り方がえっち…ああん、」 「ロ、ロラン…!」 と、意志の弱いオーウェンは、そこでまた前を硬く勃起させ、ことを始めてしまう。 このままじゃいかん!いくら気持ちが盛り上がってもいかんぞ!終わりがないじゃないかっ! うふふって笑う可愛いロランを壊してしまいそうだ。体格差だってかなり違うから無理をさせているだろう。今は笑ってるけど、いつか抱きつぶしてしまい、泣かせてしまいそうでもある。 ベッドルームとシャワールーム以外に行かねばならん!そう思いやっとキッチンまで辿り着いた。 「お腹すいたろ?何か作るか…つってもなぁ、何もないんだよな」 ここのところ食欲もなかったし、買いだめもしていないから、冷蔵庫の中は飲み物しかない。 それに今は真夜中である。店はやってないし、宅配で頼むのも無理だ。 キッチンを見渡して目についたものはカップ麺だった。カップ麺なんて味気ないものだが、食料はないし、これしかないかと眺めていると、ロランがトンっと身体をぶつけ、ぴとっとオーウェンにくっついてきた。 「あっ!キチンヌードルですよね?私もこれ好きですよ〜。お湯入れますか?」 「これでいい?何もなくてごめんな。明日の朝になったら何か買ってくるよ。今日は泊まってくれるだろ?」 「ふふ、泊まっていいですか?離れたくないから嬉しい!」 可愛い顔で笑うロランを抱き寄せた。キッチンに場所を移しても結局同じ。ロランが近くにいたら、抱き寄せてキスをしてしまうのは変わりないようだ。 「ロランはここに座ってて。お湯入れるだけだからさ」 両手でロランの頬を包み込み、チュッと音を立てて唇にキスをした。これ以上深いキスをするとまた始まってしまうと気をつける。軽く何度か角度を変えてチュッチュッと可愛らしい小さな唇にキスをした。 「オーウェンさんは…甘いですね。ふふ」 キッチンの作業台に椅子を並べ、ロランはそこに座った。ふふふと笑い、足をぶらぶらとさせている。 「甘いって?何が?」 お湯が沸いたサインがケトルから聞こえた。50秒で湯が沸くなんて、優秀なケトルである。お腹がすいたロランを待たせなくてよかった。 カップ麺に湯を入れテーブルに置き、横並びで座る。座っているロランの頬をもう一度持ち上げて、チュッとキスをした。プーっと膨れたり、楽しそうに笑うロランの頬に触れることが出来るのは嬉しい。 「ふふ、甘いですぅ〜。あれやっちゃダメ〜とか、そこに座ってていいぞ〜とか。…なんだかとっても嬉しいですけど」 「そりゃさ、心配だから…火傷したり怪我したり、そんなの嫌だろ?」 「カップ麺にお湯入れるだけですよ?怪我したりしないですって」 「わっかんねぇぞ?だけどな、俺が心配なんだ。わかってくれよ?もし怪我させたらって思うとゾッとするし。ロランのこの小さな手も足も、どこも傷つけたくないからさ」 カップ麺を見つめ、手を握りキスをしながら話をしていたら、3分なんてあっという間に経つ。二人でチキンヌードルをすすると、思ったより美味しく感じた。 「だけどよ…あれ、不思議だよな」 「あれですか?マークのことですよね」 セックス中、マークにキスをした時の話になる。気持ちが高まりロランのテレパシーマークにオーウェンがキスをしたら、快感が走ったという。 「なんか…こう…ピリッとしたっていうか。痛くはないんですけどね」 「気持ちいいんだろ?」 「う…ん。気持ちいいです。ピリッとして、ジンっとくるっていうか、身体が熱くなるんです。その後はもう…その…勝手に出ちゃうっていうか…なんだろ本当に」 チキンラーメンを食べている手が止まる。隣にいるロランをガン見である。 ロランは頬を赤くさせ、セックス中、マークにキスをされると気持ちよくなることを、恥ずかしそうに言い始めている。 いつも可愛いと思っている頬が赤くなっている。素直に自分の気持ちを告白するロランだが、口から出た言葉は、とてつもなくいやらしいものである。 ぷっくりとした唇から「マークにキスをされるとアソコがムズムズするんです」なんて言葉が出てくるんだから、ガン見してしまうのは仕方ないだろう。 油断しているとまた、股間が熱くなっていた。勃起が収まらないなんて思春期以来である。 「コホン…えっと、でもさ、前にここで触ったことあるじゃん。その時はそんなことなかったろ?」 平静を装って返すのが必死だ。既に下半身は臨戦状態だがそれをひた隠ししている。 「そうなんですっ!この前、コウ様たちの前で触ったでしょ?その時は、なーんにもならなかったんですよ?だから…やっぱり不思議です」 コウやマリカに触ってみろと言われ、みんなの前でロランのテレパシーマークに触れたことがある。それに、もっと前にはコーヒーを足にぶっかけたロランに、薬を塗りながらコッソリ触ったこともある。 いずれの場合も、不思議なことは起きていない。 「じゃあ…今ちょっと触ってみてもいい?」 返事を聞く前に、オーウェンはキッチン床に跪きロランの足を取った。 シャワールームから出た後、オーウェンのTシャツを渡し部屋着にさせている。Tシャツは大きかったらしく、お尻まで隠れているが、足は丸出しである。 ロランの白くほっそりとした足は小さくて、ふくらはぎに触れると柔らかい。このまま足を撫で、尻まで撫で回したいと思う気持ちをぐーっと堪え、ロランの足を膝の上に置き、オーウェンはテレパシーマークに触れた。 「……何もなりません」 「やっぱりな。前と同じってことか」 くるくるとマークを撫でるように触っても、身体が熱くなったりピリッとしたことは、起こらないという。 オーウェンはそのまま足を持ち上げて、テレパシーマークに口を寄せキスをした。持ち上げると、足の奥ロランの尻や足の付け根が目に入る。艶めかしい姿にオーウェンの下半身はズクンと力が入る。 「はああっ…やああぁんっ」 マークにキスをすると、ロランは途端に声を上げ身体をガクガクとさせていた。 「キスするとくるのか?」 顔を赤くさせ、両手で口を押さえている。気持ちがいいかとオーウェンに聞かれて、コクコクと頷くだけで、ロランは声が出ないようであった。 声を出さないようにしているロランを見ると、何だか悪いことをしているような気がしてくる。 「マークにキスをすると気持ちよくなるのか…こうするとまたなる?」 悪いことをもっと続けてしまいたいと、欲求が顔を出す。もう一度テレパシーマークにキスをすると、同じようにロランは高い声を出していた。 「キスが…そうなのかも。そこにキスされると、ズキンってくる…ああ、」 「ロラン…好きだよ」 好きだと言いながらマークをぺろっと舐めた。軽くキスしていたが、ロランの痴態を見てエスカレートしてくるのが自分でもわかるが、止められない。口を押さえるロランの姿を見て、意地悪をしてしまうのも抑えられない。舌でマークをくるくると舐めまわし、キスをしながらロランの顔を見上げる。 「や、やぁぁんっ、オーウェン…さん、はぁ、はぁ、ダ…ダメ…んん」 ぐちゅぐちゅと音をさせてテレパシーマークを舐め回すと、ロランは首を振りペニスを押さえている。射精しそうなのを止めているような素振りを見せる。 ロランは股間をギュッと押さえていた。そんないやらしい姿を見せたら、もっと意地悪していやらしいことをしてしまうじゃないかっ!と、オーウェンはしつこくなる。 「ロラン…あのな。俺、結構性欲が強いんだ。だから、今こうしてても暴走しそうなわけ…これからずっと付き合うロランには、知っておいて欲しいなって…」 チュッチュッと足首にあるテレパシーマークにキスをする。マークにキスをすると気持ちが良くなるってことはわかった。触るだけだと何もないが、オーウェンがキスをするとロランはすぐに仰け反り、高い声を出していた。 しかし、オーウェンの方はそんなロランの姿を見てしまうと、下半身が動き出すのをどうにも止められなくなる。だからロランに嫌われる前に、止まらない性欲について告白をしようと思った。 性欲があり過ぎるって理由で、ロランに嫌われたくない。暴走したら「やめて!」って止めて欲しいと思っている。嫌われる前に… 「これからずっと付き合う…?」 「うん、そう。ずっと俺ら付き合っていくだろ?だから今のうちに伝えとこうかなって。しつこくてロランに嫌われたくないし。性欲が普通レベルならいいんだけど、そうもいかなくて。引かないで欲しいなっていうかさ…」 白くてスベスベとしているロランの足も愛おしい。ひざ小僧にもチュッとキスをした。 「これからずっと付き合うなんて…そう言ってくれて嬉しい…」 えへへと笑い、また頬を赤くしてロランは喜んでいる。性欲が強いって告白したことより、ずっと付き合うと言った言葉の方が嬉しいという。本当に可愛らしい。 「初めてなのに何度もしちゃってごめん。身体ツラくないか?」 セックスをしたのは初めてだとロランは言っていた。何度も射精していたのを見たので、気持ちが良かったとは思うが、身体はキツイのかもしれない。 「あのね、オーウェンさん…ずっと付き合うから私も告白しますけど…実はもっとして欲しいなぁって思って、さっきから仕掛けてるんです、私。それに、えっと…私も性欲が強いんです」 「ええっ!今、なんて!性欲?性欲なんてロランあるの?」 跪きマークに口を付けていたが、驚きから立ち上がってしまった。ロランから衝撃なことを言われ大声を上げてしまう。 「もう…恥ずかしいから、そんなに驚かないでください」 「ご、ごめん」 スタッとまた跪きロランの足を持ち上げると、続きを告白してくれた。 性欲が強いと感じたのは、オーウェンのことを意識し始めてからだという。 オーウェンのことが気になり、好きになっていると自覚してからは抱かれたいと考えていたそうだ。そしていつか抱かれる日を夢見て、後ろの孔を指でいじり、オーウェンのペニスが入ってくるのを想像してオナニーをしていたと言われる。 「だからね…さっきからずっと、もっとして欲しいって思ってるんです。だから大丈夫だよ?」 オーウェンの下半身は下着の中でドクンドクンと脈を打っている。話を聞いてるだけで射精しそうである。 「じゃあさ、またあっち行ってもいい?続きしてもいいの?俺、また止まらないぜ」 「抱っこして?連れてってください」 ロランを抱き上げると両足をオーウェンに絡ませてチュッとキスをされた。速攻ベッドルームに移動する。

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