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セーラー服と学園祭 18

「え?待って、お前セーラー服どうしたんだよ」 八雲さんにいろいろ処理をしてもらった後、落ち着いた場所に行きたいってなって茶道部のお茶会へ参加してきた。 焦らされて焦らされて、とにかく焦らされたからもう身体はぐったりしてて、出されたお茶菓子が全身に染みわたるぐらいおいしかった。 その後はてきとーに校舎内ふらふらして、気になったところに入ったりした。 八雲さんとはさっき別れて(帰り際にキスされるのはもうテンプレート)、自分の教室に戻ってきたわけなんだけど。 「お茶こぼしちゃって……着替えた」 そう、俺は今あのセーラー服じゃなくて普通の制服を着ている。 理由は言うまでもなく、さっきのえっちで超汚れたから。 八雲さんがすごく残念そうにセーラー服を脱がし、わざわざ制服を取りに行ってくれたんだ。 「もっと見たかった」「今度は何着たい?」「俺好みの女にしたい」とかいろいろ言ってたけど、オレは何も聞かなかったことにしてる。 「………」 じと目でオレのことを見てくる柳は、顔におもいっきり「ほんとかよ」って書いてある。 わかる。疑いたくなるのはわかる。でもこう言うしかないんだよ察して柳。 オレも負けじと柳を見つめ返したら、それはそれは大きなため息をついて脱力した。 よかった、察してくれたのかもしれない。 「あの八雲さんが女装の南を見て何もしないわけないよなぁ……」 「うそでしょ待ってよ、バカなの?」 「どうだったよ?神聖な学び舎での女装セ――」 「ちょっ!?」 オレは慌てて手のひらを柳の口に押し付けた。 バカだほんと勘弁してほしい、2人しかいないならまだしも他のクラスメイトいるから! 「で?」 「………」 「どうだったよ、南ちゃん」 ほんと柳っていい性格してる。 にやにやしながらこんなこと聞いてくるなんてデリカシーも何もない。 なんでこう……柳もだけど、八雲さんとか兄ちゃんとかその他大人ってオレの反応を見て楽しむんだろう。 「………た」 「え?聞こえないんだけど」 「最高だったよ!バカ!」 すごい煽ってくる柳がうざったくて、つい大声で叫んじゃった。 にやーっと意地悪く笑った柳の手には、スマホが握られていて。 『最高だったよ!バカ!』 そのスマホの画面にはなぜかオレが映っていて、同じセリフまで言ってて。 一瞬何が起きたのかわからなかったけど、気がついた瞬間ぶわっと顔が熱くなった。 「と、撮ったな…!」 「いいもん見れたわー」 「それ、八雲さんには絶対送らないで」 「え?なんて?」 とぼけたふうに言った柳が次に見せてくれた画面は、八雲さんとのトークにすでに送信した後。 『南が言いたいことあるみたいですよ』というメッセージの後に動画が送られている。 「さいっあく……」 「やっぱ南っていう名詞入れると既読早いなあの人」 くすくすと笑って、またオレにスマホの画面を見せてきた。 そこには『俺も最高だった』っていう短いメッセージが。 嬉しい……八雲さんとえっちなことをする度に、本当に気持ちよくなってくれたのかとか、オレばっかり溶けてるんじゃないかなとか、いろいろ不安になるけど…。 今日だって騎乗位してみたけど全然動けなかったから、優しくて言わないだけで本当は物足りないって感じてるんじゃないかなって思ってた。 でも、その最高を見れて心がすっと軽くなった。 世界で一番、八雲さんが好き。 「にやけてるところ悪いけど、あのセーラー服ちゃんと洗って持ってこいよ。あれ俺の姉貴が使ってた制服だから」 「ごほっ!げほっ!…はぁ!?」 「あれ、言ってなかったっけ?わり」 オレはこの後の記憶がなくて、気がついたときには自分のベッドの上で寝ていたあげく、丸1日寝込んだのだった。

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