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【番外編】君思う、故に我あり 4
「んん―――っ!」
指で突いた瞬間、南は腰をしならせて軽くイった。
そのままそこを攻めれば、さっきよりも大きな嬌声が絶え間なく漏れる。
「あっ、あっ、はやっ、あんっ」
「ほら南、ここ玄関なんだからもう少し声抑えないと聞こえちゃうよ?」
「や、だぁっ…んっ…」
やだやだって首を横に振って、手で口を覆う。
でも手に力が全然入っていないようで、指の隙間から声が変わらず漏れてる。
いくら深夜とはいえ、誰も聞いてないとは限らない。
「南、鼻で息できる?」
と聞けば、こくこくと素直に頷いてくれる。
「いい子。本当に苦しかったら言って」
南が声を漏らさないように、苦しいだろうけど唇でそこを塞ぐ。
しっかり舌を絡め取って、吸いついて、なぞって。
キスに気を取られている間に、俺は完全に熱を帯びた自身をゆっくり沈めていく。
「んっ、ふぅっ…」
南の嬌声が俺の口内に吸い込まれていく、不思議な感覚。
いつもより熱い吐息を感じて、興奮してしまう自分もとんだヘンタイだなと自嘲する。
「動くよ」
挿れたまんま唇を放して確認すれば、だらしなく口を開けたままこくこく頷く。
それを確認した俺は腰を動かそうとしたけど、ここは玄関の床であることを思い出して止まった。
「ごめん南、そのままだと背中痛めるから…今日は俺の上に乗って?」
「え…?う、わっ」
有無を言わさず南の細い腰に手を差し込んで、よっと繋がったまま俺の上に南を乗せる。
「んっ」
その時の振動でピクンと南が反応する。
「ほら南、ちゅー」
「ぁ……」
俺の胸に遠慮がちに手を置いて、ゆっくりと寝そべるように倒れてくる。
南の重さを全身で感じることができるこの体位が好き。
「舌だして。苦しかったら叩いていいから」
あー、と南の口から赤い舌がおずおずと出される。
りんごのように赤いそれは十分熟された色をしていて、早く食べてと言わんばかりだ。
舌を絡めとることをせず、感触を確かめる程度に甘噛みをする。
噛む度に切なげな吐息を漏らし、腰がわずかに揺れ、本人はまったく自覚がないだろうけど俺を誘惑してくる。
「南、本当にえろくなったね」
「やくもさんの…ふ、ぅ…せい、だからぁっ…」
「うん、俺のせいって思うと…興奮する」
「ひゃっ、アッ――」
少し強く舌を噛んだら、喉を仰け反らせて俺の上で小さく痙攣する。
同時に南のナカもきゅうっと締まり、持っていかれそうになって昂って。
「はは、まだ動いてないのに何回イった?」
「んっ…ふ、あ…」
南はもう頭まで痺れてるみたいで、言葉が全然出てこない。
まだ入ってるだけなのにこれじゃあ、今日はいつも以上にドロドロした南が見られそうだ。
蕩けて涙で顔をぐしゃぐしゃにしてとめどなく溢れる精液を想像したら、言葉に表現できないぐらい興奮して。
「あ!?お、きぃ…」
それに加えて南が可愛いことを言うから、ぷつんと理性が切れた。
「今日は、覚悟しろよ」
相変わらず俺の上ではあはあとぐったりしてる南の腰を掴んで、力のまま腰を突き上げた。
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