身体にも覚えてもらうからと言われた後、目隠しも手首の拘束もそのままで八雲さんの手が服の下に入ってきた。 流されることのないまま射精したから、パンツの中がぐじゅぐじゅしてて気持ち悪い。 早く脱がして欲しいのに、八雲さんは上半身しか触ってくれない。 視界が遮られるといつもより肌に触れるものが過敏に感じられて、さっきはあっという間にイっちゃった。 早すぎて八雲さんに引かれないか心配だったけど、そこはあんまり気にしてなさそう。 「ん…んっ」 せめてもの抵抗と思って、唇を強く結んで漏れる声をガマンする。 それでも鼻からは甘い吐息が抜けちゃうから、本当にささやかな抵抗にしかならない。 「そういうところも可愛い」 くすっと笑った八雲さんは、唇に指を当ててくる。 薄く口を開いたら、八雲さんの指が口内に入ってきた。 その指をカシカシ噛んでみても、やっぱり笑うだけ。 「いいね、その反抗心」 なんて言われる始末。 「まあ、でも…この前は焦らしすぎちゃったし」 口の中から指を抜いて、それから少しの間何もしゃべらず触らず。 次何をされるのかまったくわからなくて、全身に力が入る。 「いっ、！？」 突然脇腹をがぶりと噛まれて、思わず声が出た。 多分そんなに強くは噛んでないとは思うけど、痛みもいつもより倍感じる気がする。 今度はちくっとした痛みがして、キスマーク付けられてるんだなと考えた。 八雲さんはしばらくそこから離れなくて、近いところにいくつもの印を広げていった。 あの金髪に触られたところだから、相当嫌な思いをさせてしまったんだと今更ながら申し訳なくなる。 「んっ…綺麗に付いた」 「ひゃ！」 するりと脇腹を撫でられて、背筋がぶるっと震える。 金髪に触られた時はあんなに気持ち悪いって感じたのに、八雲さんが相手だともっともっとって、オレからねだりたくなっちゃう。 「ねえ、さっきから物欲しそうに腰揺らしてるの…気づいてる？」 脇腹をなぞってた手はそのまま下に降りて、下着の中に指だけ入れてゆっくり撫でられた。 もうそれだけで気持ちいいって思えて、頭がとろんとする。 「んん…わかんない、けど、欲しい…」 「ほんと、可愛すぎて困る」 履いてたズボンのボタンを外してチャックを下ろし、するすると脱がしてく。 「ふは、さっきいっぱい出しちゃったんだね」 「い、言わなくていいです…！」 俺がどれぐらい出してしまったのかわからないけど、たしかにいつもより長くイってたような気がする。 自分の目で確認できない分、八雲さんに実況されるのはかなり恥ずかしい。 食い込んで少し痛いけど、手首はこのままでいいから目隠しは外してほしいと本気で思った。 「下着もこんなに濡らして…えろくて可愛い、すごく」 「ぁ…もう、ほんと、恥ずかしいから…んぅっ」 「ほら、聴こえる？南のえろい音」 下着の上から鈴口をいじられて、ぐちぐちといやらしい音が響き渡る。 耳を塞がるはずもなく、嫌でも入ってくる音が性的興奮を掻き立てて。 「はあっ、んっ、また、イっちゃう…！」 「もう？どうしようもなく可愛い…今日は壊れるぐらいイかせてあげる」 壊れるぐらいっていう言葉に、期待と不安で胸がいっぱいになる。 もう、ほんと、八雲さんになら壊されてもいい…。 爪を立ててぐりぐり刺激さらて、一瞬で頭が真っ白になった。 「あんっ、あっ、やくもさ、もう…ああっ――！」 喉が仰け反って、またあっという間にイっちゃった。 身体ががくがく震えて、縛られた暇が手首に強く食い込んで痛い。 「ぁ…はあっ…やく、さ…」 まだまだイった余韻が強く残ってて、それに耐えるのでいっぱいいっぱいだから八雲さんの存在を確認できない。 たまらなく不安になって名前を呼べば、手首に手を添えてきてくれた。 「最高に可愛くて、えろくて…淫乱になったね？南」 「あ――！」 八雲さんの言葉は甘い毒のように全身を駆け巡って、それだけで軽くイっちゃう。 そっか、俺、八雲さんの声だけでイけちゃうんだった…。 もうとっくに八雲さんに壊されてたのかもしれないと、どろどろに溶けた頭で考えた。