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酩酊珍道中 12

月明りが和室に差し込むなか、八雲さんに四つん這いにされてガツガツとナカを突かれる。 もう何回イったかわからないぐらいめちゃくちゃに抱かれて、声が掠れてきた。 目隠しも手首の拘束も相変わらずされたまま。 涙で目隠しの内側は溢れ、手首も痛い。 八雲さんの律動に合わせてオレも揺れて、その度に紐が手首に食い込んでくる。 ずっと拘束されてたから、少しずつ手が痺れてきてだんだん感覚すらなくなってきたような気がする。 もう、さすがに辛い。 「あっ!…っ、やだ…もう、やだぁ…!」 泣きながら本気で嫌だと強く言ったら、律動が一瞬だけ止まってまたすぐ動き始めた。 「ごめん、あと、少し」 「~~~っ!」 ばちゅん!と一際強く突かれ、それだけで軽くイっちゃう。 精子も出なくなってきて、身体中が痛い。 これで最後といわんばかりに激しく打ち付けられて、もう呼吸するのでいっぱいいっぱい。 声を出す余裕すらなくて、1000メートルを全力疾走した後みたいな荒い息遣いしか出ない。 「南――っ」 八雲さんはオレの背中に覆いかぶさって、腰に腕を回してぶるりと震えて。 ぎゅうっと抱き着かれ熱い吐息を零しながらイく八雲さに、胸がきゅんとする。 オレのナカから八雲さんのものが抜かれて、やっと終わったという脱力感が襲った。 「みなみ、」 「ん…」 オレの息が整うのを待ってくれた八雲さんが、目隠しと手首を縛られてた紐をゆっくり取ってくれた。 目が鳴れるまでにけっこう時間がかかったけど、その間ずっと手を握ってオレを落ち着かせてくれて。 ようやく視界が慣れて、八雲さんの顔もはっきり見えるようになった。 「南、ごめん」 「そんな悲しそうな顔しないてください。オレは大丈夫です…ちょっとだけ怖かったけど」 安心させるように笑ってみたけど、返ってそれが余計に八雲さんを悲しませることになったみたいで、なんだかオレまで悲しくなってきちゃう。 「手首も、こんなに傷つけさせて…」 「っ、」 全然意識してなかったけど、するりと撫でられた手首にズキズキした痛みが広がる。 見てみれば、赤黒く変色して痛々しい。 我ながらよく今まで耐えたと感心したけど、八雲さんは相変わらず凹んでる。 「痛む?」 「……少し」 「ごめん」 本当に申し訳なさそうな顔をして、ちゅ、ちゅと赤黒くなったところにキスを落としていく。 それがくすぐったくて、くすくすと笑えばぎゅっと抱きしめられた。 「好き」 「知ってます」 「大好き」 「それも知ってます」 「本当に、もう南しかいらないぐらい愛してる」 ぎゅっとぎゅっと強く抱きしめられて、どうしようもなく大好きでほっぺが緩む。 お仕置きと言われて初めて痛いことをされたけど、こんなに八雲さんから求められてるんだなって思えたら「まあいっか」ってなる。 オレはもう、八雲さんから求められるのが嬉しくて幸せで、本当に生まれてきてよかったなって思えるから。 「八雲さん大好き」 オレも同じぐらい、八雲さんのこと大好きで求めてるんだってことを伝えたい。 どちらからともなく自然に顔が近づいて、ゆっくりと甘いキスをする。 また少し息があがってきたこと八雲さんが離れて、気遣ってくれてるんだなと思ってきゅんきゅんとして。 汚れた身体を簡単に拭いたりして、今回の懸賞旅行の目玉である貸し切り温泉に入るべく部屋を出た。

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