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ワンナイト・ヴァンパイア 7
南のナカはすでにぐっしょりしていて、俺の指をすんなり飲み込んだ。
中指で感触を確かめるように何回か円を描いた後、すぐに2本の指を増やした。
「んっ、ぁ、きょう、はやっ…」
南に傷をつけさせたくないからいつもは時間をかけてほぐすけど、今日はそんな必要はなさそうなぐらいえろくなってて。
「ねえ……今日、すごいぐしょぐしょだよ、南のなか」
「わかっ、ない…!」
「自分じゃわからない?こんなに…やらしい音させてるのに」
「は、…ん…っ」
どうやら今日の俺のサドスイッチは絶好調のようで、次から次へと南を恥かしめるような言葉が出てくる。
音がよく聴こえるように、ぐぽぐぽと指を大きく動かす。
「ほら、聴こえるでしょ」
「あっ……ぐちゅ、ぐちゅってぇ…!」
「そう、ぐちゅぐちゅって…すごく、やらし」
言葉で攻められて悦ぶように、南のナカはきゅうきゅうと伸縮して俺の指を締め付けてくる。
この締め付けで俺のを挿れたらと、想像しただけでどくっと脈打つから節操がない。
南の小さな口から断続的に漏れる甘い声が、耳から全身にまわって身体が熱くなる。
いつもならもっととろとろに乱れさせたいと思うのに、今日はとにかく早く挿れたい衝動が大きくて。
「みなみ……もうっ、」
指を抜いて、反対の手で南の額に張り付いた前髪を払う。
ふと見た瞳は涙で輝きを増して、まるで琥珀。
ずっと見ていると吸い込まれそうだな、と頭の片隅でぼんやりと考えた。
「ん……きて、八雲さん」
俺の手を両手で包んで、優しい声で囁かれる。
まだちゃんと慣らせていなくて申し訳ないけど、媚薬の効果のあるらしい南の吸血効果は、俺の理性をあっさりと壊されて。
「ごめんっ……」
南のことを第一にしてあげたいのに、あっさりと媚薬効果に飲まれる自分が不甲斐ない。
俺は屹立した自身を、ひくひくさせている蕾へ押し当てる。
「ぁ…」
それだけなのにきゅうきゅうと飲み込もうとする南が可愛くて、いじらしくて、かっと全身が熱くなった。
我慢できなくて、奥まで一気に腰を進める。
「や――っ!」
南は腰をしならせ、高い声を出してイった。
陰茎からはとろりと精液が溢れ、力なく首を横に振る。
「かわい……」
はあはあ呼吸している南の口内の中に、俺の舌を差し込んでキスをする。
辛いはずなのに、俺からのキスを拒まない南に俺はいつも甘えてしまう。
「動くよ」
「や、まって、まだ……ひあっ!?」
待っての言葉には耳を貸さず、俺の欲のまま腰を動かし始めた。
「やくも、さ、まって、あっ…!」
やだやだって必死になって首を横にして振るも、ひっきりなしに漏れてくる喘ぎ声は俺に「きもちい」「もっとして」にしか聞こえなくて、それがまた俺の腰を早める。
南が俺ので乱れに乱れる姿は煽情的で、汗や体液でひかる白い身体は綺麗で、ずっと見ていたい。
そんなことえをぼんやり考えていたら、あっという間に射精感が高まって。
「はあっ……も、でそう…っ」
ふるりと身体が震えて、額から流れた汗が顎をつたって落ちる。
きもちいい。
南とひとつになることは、本当にきもちいい。
同時に生きているな、と幸せな気持ちにもなる。
「すって、南……」
「やくも、さん――!」
俺の血を吸えるように、南を胸のうちに抱きしめる。
ぺろりと首元を舐められて、俺の身体は喜びと期待で震えた。
「あむ…」
歯を突き立てられ、じゅるっと血を吸われる。
身体は暑く、頭はふわふわして、快楽が俺を支配する。
同時に、俺は南のなかで達した。
もう、バカになるぐらい気持ちいい。
ずっと続けばいいのにとさえ思う。
今日はどこまでも貪欲だ。
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