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それでもずっと 1

明日、11月7日は南の17歳の誕生日だ。 残念ながらその日は平日だから、夜通し可愛がってあげることはできない。 それに、家族も南のことをお祝いしてあげたいはずだから、明日は家族で過ごしたほうがいいとあらかじめ言っておいてある。 ちょっと残念そうな顔をしてたけど、家族思いの南は過去の誕生日パーティーの話を楽しそうにしてくれた。 誕生日を一緒に過ごせない代わりに、週末は出かけるから空けておいてもらった。 どこに行くかはまだ秘密にしてある。 週末のことを考えていたら、あっという間に今日が終わろうとしていた。 南より俺のほうが楽しみにしているかもしれない。 スマホを持って、南とのトーク画面を開く。 もちろん、日付けが変わった瞬間におめでとうのメッセージを送るため。 俺は長い文章を送るより、その分南の目を見た直接言いたいって思うタイプだから、送る内容はシンプル。 『誕生日おめでとう』 『そして、生まれてきてくれてありがとう』 これだけ。 時計をチラチラ確認しながら、0時になった瞬間に送信ボタンをタップ。 ものの数秒で既読がついて、たまらなく愛おしくてつい笑ってしまう。 『ありがとうございます!』 『週末楽しみにしてますね』 メッセージと一緒に送られてきたのは、嬉しそうに踊るキャラクターのスタンプ。 それに、南の誕生日に俺のことを話そうって決めてたから、ひとつのけじめでもある。 南は空気を読むのが上手だから、何回も俺に聞きたそうな顔をしているのを敢えて無視してきた。 あの夏祭りの一件もあったし、もういい加減に言わないといけない。 それに、今ならどんな俺でも南が好きでいてくれるって思える。姉さんとも鉢合わせしちゃったし。 その週は、少しの緊張と興奮で寝つきが若干悪かった。

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