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それでもずっと 4
初めて自分の車に他人を乗せた。
というのも当たり前、なぜなら二十歳の誕生日に親からもらったばっかりだったから。
何もいらないって言ったんだけど、成人祝いも兼ねて贈られてきた。
今住んでるところと実家は遠いから、実家まで新幹線と電車を乗り継いでしぶしぶ帰郷、新車をおっかなびっくり運転しながら帰宅。
雨風に晒さないように、あらかじめ屋根付きの月極駐車場を契約していたらしく、そこに停めておけと帰る前に言われた。
たしかに屋根付きがあるならそれに越したことはないと、開き直りつつありがたく利用させてもらってた。
車が必要な場所に住んでるわけでもないし、わざわざ車を持ってるということもないし、南には言ったことがない。
結果的にサプライズできたし問題はない。
運転中は南の熱い熱い視線が、刺さるを通り越して撃ち抜かれているような感覚になるぐらい見られた。
本人はこっそり見てたつもりでいるんだから、まったく可愛いったらない。
運転をしていなければ5分はキスをしていたと思う。
車は高速道路を走り、途中2回ほどパーキングエリアで休憩を挟んだ。
その時の南といったら、
可愛く笑って「運転してる八雲さんすっごいかっこいいです」
頰を赤らめながら「ドキドキした…」
真面目な顔つきで「肩もみ得意なので、疲れたら言ってください!」
と、びっくりするぐらい可愛いことしか言わなくて、俺の中で可愛いが渋滞してひとつひとつ受け入れるのに少し時間がかかった。
パーキングエリアを出て本線に合流したら緩やかに渋滞が始まっていて、こっそり吹き出したのが南に気づかれて。
「八雲さんが笑ってると嬉しい」
と極上の笑顔で言われてしまったら、今まで運転中だからって我慢してた俺の理性も、さすがに少し緩む。
渋滞し始めたし、南を可愛がるなら今のうちだと思った。
「ひゃ!?」
窓の外を眺めていた南の太ももをするりと撫でたた、可愛い声を出して勢いよくこっちを振り向いた。
顔は赤くなってて、何をするんだと目で訴えてくる。
「南が可愛いことたくさん言うから、けっこう我慢してたんだけど」
「言ってないです…!てか、あの、ここはダメ……」
俺の手にそっと重ねてきて、やんわり退けられる。
力が強くないあたり、ちょっと期待してるんだなと察した。
「本当に嫌なら止めるけど」
右手はハンドルを握ったまま、左手で太ももを撫でた。
膝から少しずつあがって、可愛くて弾力のある小尻を円を描くように1回撫でて、また膝まで戻る。
南はぴくっと小さく震え、声はくふくふと押し殺して我慢している姿が健気で可愛い。
でもそういうふうに我慢されると、意地悪したくなるのが男というもので。
前方を注意しつつ、攻める手を加速させる。
「撫でてるだけなのに、もう反応しちゃってるね」
「っ!」
「可愛い」
さっきから膝を固く閉じて隠そうとしてるけど、そんなことしなくてもお見通し。
力を込めて膝の間に手を滑り込ませると、俺の手の動きを止めるようにぎゅっと閉じてきた。
そんなことされてもご褒美になるだけなのに。
「車、前、進んでますよ」
「心配してくれてるの?ありがと」
意識を逸らせて前をみさせようとしてるのが丸わかり。
ちょっとずつ意地悪するのが楽しくなってきたから、ここは乗らないで気づかないふりをする。
左ては南の脚に挟まれたまま、まずは触感を楽しむように揉んだり指で撫でたりして楽しむ。
感じてきたのか脚の力が緩み始めて、慌てたようにまた閉めるを繰り返し。
「南の脚に挟まれてるの、幸せかも」
脚をぎゅってしても意味ないよと遠回しに言ったら、ちょっと諦めの色が瞳に浮かんだ。
窺うように俺を見てたから、あともう一押し。
「俺、南の脚すごい好き」
「ん……」
ちょっとだけ緩んだ脚を見逃さず、するっと脚の付け根のすぐ下まで滑らせた。
揉むように触れば、小さく声を漏らし始める。
「見られるのは、嫌です……」
ねだるように上目遣いで見上げて、南が折れた。
「それは可愛すぎ」
運転している時にキスをするのはやめておこうと決めていた俺の決意は、南によっていとも簡単に粉々になってしまった。
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