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【番外編】八雲とミナミ 3

ミナミがうちに来てから1週間が経った。 地頭がいいのか、俺の教えたことはしっかりと飲み込んで問題なく人間の生活を送っている。 ただ、興奮すると出てしまう耳と尻尾のコントロールは相変わらずのようだ。 それさえなければ特に問題もなかったから、週明けの火曜日からミナミを残して大学へ行けるようになった。 最初は離れるのが嫌だと駄々をこねられ、なんとか説得して家を出た。 部屋に帰ってくるまでちゃんと留守番できているか不安しかなかったけど、帰宅すれば食い入るようにテレビを観ていてめちゃくちゃ安心した。 「お腹すいた……」 そんなミナミがいる生活に少しずつ慣れてきたある日の晩、さっき食べ終わったばかりのミナミが空腹を訴えてきた。 「昨日から食欲すごいな」 「迷惑…?」 この1週間でわかったこと。 ミナミは、俺の迷惑になることや嫌われることを極度に恐れる。 何度も大丈夫だと伝えてはいるけど、まだ不安な拭えないらしい。 「元気って証拠だろ?迷惑じゃないし、むしろ嬉しいよ」 この1週間てわかったこと、その2。 「やくもさん好き」 ミナミは感情をストレートにぶつけてくる。 というか、事あるごとにに「好き」と言ってくる。 最初は可愛い弟ができたみたいな気持ちだったけど、これだけ「好き」と正面きって言われれば正直絆される。 「お前、可愛いなぁ」 と思わず口に出してしまって一瞬焦ったけど、可愛いと言われてよほど嬉しかったのか、耳と尻尾が忙しなく動いている。 「やくもさんは、かっこいい、です」 「お前……どこで覚えたんだ」 「え?」 「……なんでもない」 危ない、なんだ今の可愛さ、びっくりしすぎて一瞬息ができなかった。 煩悩を振り払うようにミナミの食事を用意して、美味しそうに食べる姿を視界の端で感じながらテレビを観る。 「んー…やくもさん…」 食べ終わったミナミは教えた通りに食器を片付けたあと、甘えるように俺に擦り寄ってきて。 「なに?どうした?」 「やくもさんの匂い、すき」 俺の首筋をくんくんと嗅いでは、熱い湿っぽいため息をこぼす。 今まで関係を持ったどの女よりも、ミナミは艶かしくて官能的で、初めての感覚に少し戸惑う。 手遅れになる前にミナミを離さないと――。 「寝ていいよ。傍にいてやるから」 「ちがう、やくもさん、オレ…もう…」 俺の上に跨ってきたミナミは、緩く勃ちあがったソコを擦り付けてきた。 「っ」 「ねえ、もう、ガマンできない…!」 「ミナミ、待って、落ち着いて」 「むり、たすけて、やくもさんっ」 まさか、まさかとは思うけど、これは発情期なのかもしれない。 うっかりしていた。発情期のことをまったく考えいなかった。 さすがにこの状態のミナミを家から出すわけにもいかない。 俺は仕方なく、そう、ミナミのために仕方なくと自分に言い聞かせて腹を括った。 「わかったから……大きい声、出すなよ」 「んっ、」 下着の上から勃ちあがってるそこを、指でなぞる。 発情期というだけあって、下着はもう先走りで湿っていた。 指の動きに合わせてひくひくと腰が動き、オレに寄りかかりながら甘い吐息を耳元で吐き出す。 あ、これヤバイかも。 俺も勃ちそう。 あまりミナミに意識を集中させないように、頭の中で2、3、5、7と素数を数えながら指を機械のように動かす。 「にぁっ、あっ、きもち、やくもさん、きもちい…!」 腰をくねらせながら気持ちいいと甘い声で喘ぐミナミが可愛くて、素数なんて数えてられなかった。 無理だろ、こんなに可愛く喘がれて、健全な成年男性が正常でいられるなんて…。 ミナミに煽られて火がついた。 もうどうにでもなれ。 「にゃ、あんっ」 爪を軽く立てて鈴口を刺激してやれば、一際高い声で喘いでぎゅっとしがみついてくる。 「ここ好き?」 「っ、すき、そこ、すき…!」 「お前、えろすぎ……」 ミナミの呼吸がだんだん早くなって、腰もビクビクと小刻みな動きに変わってきた。 わざとらしい喘ぎ声とか反応が一切なくて、純粋に感じてくれるのが可愛いし、俺の心も満たされていく感じ。 「1回イっとこうか」 「にゃ、〜〜〜っ!」 耳と尻尾が一瞬ピンと立って、身体の動きに合わせてビクビクと揺れる。 ミナミは完全にオレに寄りかかって、快感の余韻を逃すように身体をくねらせてる。 肩で息をして、とろとろになった表情が扇情的。 潤んだ琥珀の瞳も、本物の宝石のようにキラキラしていて綺麗だ。 ミナミに煽られて俺のも完全に勃って苦しい。 早く寝かしつけて処理をしたい。 「やくもさん、こっちもムズムズする……」 そう言って腰を動かし、ねだるような熱い眼差しを向けられて。 「……勘弁してくれ」 役得かも、と思ってしまった自分を殴りたくなった。

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