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それでもずっと 21

八雲さんにこれでもかってぐらい優しく丁寧に抱かれたあと、重い身体をなんとか動かしてシャワーを浴びる。 もちろん、八雲さんも一緒。 2人で交互にシャワーを使って、いろんな体液で汚れた体を洗い流す。 洗ってる間は会話とかなかったけど、ときどき目を合わせてはおかしそうに笑い合って、なんてことないこのやり取りが幸せだなって感じる。 「南、後ろ掻き出してあげる」 「えっ…いや、自分でしますよ」 「南の指じゃ届かないと思うけど」 「八雲さん、それやりたいだけじゃないですか…」 「だめ?」 「……だめじゃない」 どうしても八雲さん相手だと意思が弱くなる…。 そもそも、八雲さんに対して断るということができない。 「ほら、後ろ向いて」 八雲さんの言葉ひとつひとつが麻薬みたいに、オレの頭の中で響いては溶けていく。 浴室の中にいるから、余計に頭がぐわんぐわんする。 壁についた手のひらから伝わるひんやりした温度が気持ちよくて、頰と上半身をぺったりくっつけた。 全身が火照ってるから、ずっとこうしてたい。 「壁、きもちいい?」 「ん…つめたい…」 「うん。ふは、えろくてびっくりした」 八雲さんのえろさには負ける、という言葉は言わないでおこう。 なにされるかわからないし…もう散々イかされたあとに、これからたくさん出されたものを掻き出されようとしてるのに、これ以上攻められたら死んじゃう…。 「声響くから、がんばって」 がんばってって、なにが?なんて愚問はしない。 すぐに八雲さんの指がナカに入ってきて、内壁を擦りあげてきたから。 「っ、っ、ふっ、んっ」 ねちっこく擦られて、頭バカになりそう。 掻き出されてるだけって頭で唱えても、八雲さんに開発されたくって身体は快感として受け止める。 散々イったあとなのに、また緩く反応してる己が恥ずかしい。 前も触りたいのに、両手を壁に付けてないともう身体を支えることができない。 そしたら、もう、こっちも壁に擦りつけるしかないなと思って。 「ひうっ、つめた…!」 「待って……壁でオナニーしてんの?」 「ぁ、だって…もう、立ってられない、からぁ…!」 「あーもう、くそ…そんなことされたら勃つだろ…」 八雲さんに全部出されたあと、太ももを閉じるように言われた。 「ほんと、南だと自制がきかない」 って苦しそうに言うけど、あの八雲さんをオレが狂わせてるのかと思うと、たまらなく嬉しくなる。 オレしか知らない八雲さん。 オレの前でしか見せない八雲さん。 ごめんって言いながら、太ももの間に熱いそれがにゅるっと入ってきて、背中がぞくぞくする。 けっきょく、風呂場でも素股でイかせてイかされて、部屋に戻ってきたころには2人ともくたくたになってて。 2人して倒れこむようにベッドに倒れて、そのまますぐ深く眠った。

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