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【番外編】あまあまに

「南、誕生日おめでとう」 日付けが変わった瞬間、後ろからぎゅっと抱きしめられながら大好きな人からお祝いの言葉をもらったオレは、間違いなく世界で一番の幸せ者。 不思議なぐらい毎日幸せを感じてるんだけど、やっぱり誕生日はちょっと特別な感じがする。 「八雲さん好き、大好き。ありがとう」 お礼の意味を込めて、首をちょっと伸ばしてほっぺにキス。 自分から唇にキスをするのはまだ恥ずかしくて、ほんといい加減に慣れろよって思うんだけど、これでも精一杯だから仕方ない。 「俺がプレゼントもらっちゃったかな」 そう言っておかしそうに笑った八雲さんに、こっち向いてってお願いされて。 八雲さんの膝の上に向かい合うように座ると、顔にそっと手を添えられて、親指でほっぺの感触を楽しむかのように撫でる。 「ふふ…くすぐったい」 「くすぐったい?」 「あと、ちょっと気持ちぃ…」 「ふは、ネコみたい」 「ごろにゃん」 こんなふてぶてしいネコいるかよってぐらいの、棒読みの鳴き真似。 小さく吹き出して笑った八雲さんを見て、オレも釣られて笑ってしまった。 「ね、今日はとことん甘やかしていい?」 「いつもと何が違うんですか?」 「いつもそんなに甘やかしてる?」 「え、だいぶ」 「そっか、うーん…じゃあ、南が根を上げるまで」 「いいですけど、根を上げない自信があります」 「じゃあ決まり」 その後の八雲さんといったら、俺の反応を楽しみながら頭撫でたり、顔やら首やらにキスを豪雨のように降らし、勘弁してくれってぐらい好きって耳元で囁かれたり…。 ひとつひとつのダメージはそんなに大きくないんだけど、とにかくめちゃくちゃに積み重ねてくるものだから、オレの心と身体が限界を迎えるまでそう時間はかからなかった。 「南のなか、あったかい」 「も、わかったから、うごいて…!」 「だーめ。甘やかす日なんだから、もっと堪能させて?」 「あ…、」 昂ぶった八雲さんをお腹で感じながら、オレの意識は朦朧としてて。 さっきからずっとこう。 散々愛撫されてやっと、って思ったらこれ。 なかに入ったまま、八雲さんは相変わらずキスを降らせては抱きしめてきて、焦れったくて頭おかしくなりそう。 なにより一番辛いのは、前の愛撫が愛撫すぎて、今日1回もイかせてもらええてないこと。 本当にもう少し力入れてくれたらとか、もう少し触ってくれたらっていう問答をずっと繰り返してるのに。 「あっ、っ、もう、なんでぇ…」 こうなったら自分で動いてやると思って腰を動かしても、がっちり抑えこまれて動きを封じられる。 そのとき、八雲さんのが奥を掠めて訪れた一瞬の快楽が辛い。 カウパーでどろどろになって、熱くて、今すぐイかせてほしくて、擦り付けるように身体を動かす。 「すけべ」 「〜〜っ!」 きゅっと自身を握り込まれて、背中が浮く。 その動いた反動でまた奥を掠め、焦らしに焦らされたオレの身体は、それだけでも十分強い刺激だったらしく。 「今のでイっちゃった?」 「あ…わか、な…」 「かわいい」 「もう、だめ、おねがい…いっぱいえっちしたい」 「はは、なにそれ、かわいすぎ」 その後は言うまでもなく、さんざんめちゃくちゃ抱かれた。 八雲さんの甘やかすは、今後甘く考えないようにしよう。 ▽11月7日:南の誕生日 甘やかす=めちゃくちゃ優しいドS HappyBirthday!

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