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なにはさておき 8

南に触らせろと迫られ、スラックスを脱いで向かい合わせでベッドに座った。 そりゃ南が触ってくれるなら嬉しいけど、もともと今日はするつもりなかったから、どれだけ勃っててお預けになっても構わなかった。 それに、南の声とかとろけた顔とか、想像の100倍可愛くてそれだけで満足なのは本当。 でも、南の好きが焼けてしまうぐらい伝わってきて、やっぱり嬉しくて。 「さ、さわりますよ」 「遠慮なくどーぞ」 南は何か言いたそうに俺の顔を見たあと、下着の上からぎこちない手つきで触れてくる。 俺に触られてる時と同じぐらい顔も赤くさせちゃって、もう底なしの可愛さ。 力加減もへたくそで、今のところ気持ちいというよりかはくすぐったい感じ。 むずむずして笑いそうになるのを我慢して、喉を締めて声を出す。 「ねえ、もう少し力入れて」 「ん…これぐらい…?」 「あー…もうちょい」 「…どうですか?」 「あ、うん、それぐらい…気持ちいいよ」 「ほんと…?」 あー、くそ、嬉しそうに笑う顔が可愛い。 さっきから我慢してるけど、もうけっこうキツくて今すぐ出してしまいたいぐらい勃起してる。 でも、南の手コキだと朝になりそうだ。 「んっ…南、もっとこっち」 「え?」 「ここ、来て」 「え、でも…」 「一緒に擦りたい…だめ?」 「だっ…!め、じゃ、ない…」 きっとこれがマンガやアニメだったら、南の頭からは機関車のごとく煙が吹き上がってるだろう。 「お、おじゃまします…」といそいそ俺の間にちょこんと座ったときには、そのまま押し倒してやろうかと思ったぐらい自分の中のオスが刺激されたけど、そこは理性が踏ん張ってくれた。 「八雲さん…巨根予備軍ですね」 「え、なにそれ…絶妙にださいんだけど…」 「大丈夫です、ほめてます!」 たしかに平均したら俺のは大きいほうだと思うけど、これは正直南のネーミングセンスを疑った。でも、そこも可愛いから許す。 「南は……さすが若いね」 「そ、そんなに見ないでください…!」 「あ、こら、隠すなって」 「うー…恥ずかしくて死にそう…」 こっちは南の可愛さにさっきから(どこがとは言わないけど)死にかけてるんだよ、という言葉を飲み込んだ。 やんわりと南の手をどかし、十分に勃起している自分のものと南のをそっと合わせた。 「ん、」 「ねえ、今からそんな感じちゃって大丈夫?」 「ちょっと声が漏れちゃっただけです!」 ムキになって反抗してきちゃう南も可愛い。 というか何をしても可愛いと思ってしまう。 好きを自覚してからというもの、今まで可愛いと思ったことがなかった顔や仕草にきゅんとするようになった。 これが恋煩いか…と妙に納得してしまったのをよく覚えてる。 「ほら、一緒に」 「ん、ふ…」 南と俺のものを手のひらで一緒に包み、ゆっくりと上下に動かす。 さっそく鼻から抜けるような甘い声を漏らし、それがまた俺に火をつけて。 「あ、や、あつい、やくもさん…!」 「ん、俺も、気持ちいいよ」 俺の胸にしがみつき、身体を預けながら喘ぐ。 南の一回り小さい大きさが、ちょうどカリの部分と擦れて気持ちいい。 俺の息も次第にあがり、部屋にいやらしい音だけが響いては消えていった。 「あっ、もう、だめ、いっちゃう…んっ~!」 「お前、イっちゃうって言い方、マジで可愛いな」 「あっ、あっ、っ、っ!」 「俺も……っ、」 手の動きをさらに早くさせ、南が身体をぶるりと震わせたあと達して。 そのすぐあとに、俺も続くようにして達したのだった。

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