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深刻な恋人不足に陥ると 5
「……やっちまった」
朝。
南を起こさないようにマナーモードでアラームをかけた俺は、昨夜の熱い熱い情事を思い出してベッドに腰掛けて頭を抱えた。
がっつきすぎた。
まじでがっつきすぎた。
でも南マジで可愛かった。
反省はしてるけど後悔はしていない。
ベッドで寝ている南を見る。
死んだように眠っているとは、まさにこのことだろうと思う。
起きる気配まったくないし、歩くこともできなさそうだ。
今日が土曜日で本当によかった。
たぶん南も、金曜日だから俺の部屋に来たんだろう。
アラームかけて家事をするつもりだったけど、南の寝顔を見てたらたまには寝てばっかりの休日もいいかなと思う。
南の額にキスを落とし、再び眠りについた。
「ん……」
まどろみの中から意識がゆっくりと浮上する。
隣をみると、寝ていた南がいなくなっていることに気づき、慌てて起きる。
「今何時!?」
部屋の中は薄暗くて、南もいない。
時間を確認したら18時をまわっていた。
さすがに寝すぎた。アラームは7時30分にかけたはずだから…10時間も寝ていたことになる。
底知れぬ体力と精力の代償がこの睡眠時間か…やっぱり頻繁にはできないな。
18時も過ぎているし、さすがに南は帰ったかもしれない。
とりあえず、渇いた喉を潤すために俺は寝室を出る。
すると、ソファにぐったりと横たわっている南がこっちを向いた。
「八雲さんおはよ」
昨夜さんざん抱き潰したから南の声が枯れてた。
やっぱり加減したほうがよかったかな…でも声が枯れて弱ってる南もかわいい。俺もう末期だ。
「おはよ……腰、大丈夫?」
南の隣に座って腰をさする。
少しだけピクっと反応した南に、バレないようにポーカーフェイスを保つ。
「逆に聞くけど、大丈夫に見えます?」
「ごめん見えないわ」
「ベッドからこのソファまでくるのけっこう大変でした」
怒りながら俺の胸に頭をぐりぐり押しつけて甘えてくる。
俺が起きるまで1人で寂しかったんだな。
南の柔らかい髪を撫でてやると、嬉しそうに頬を擦り寄せてくる。
これをバレないようにやってるつもりなのだから、堪ったもんじゃない。
「ちなみにどれぐらい?」
「5分かかりました」
「あー……」
「立てなかったから四つん這いで」
「それは見たかったかな」
「バカ。八雲さんがあんなに絶倫だとは思いませんでした」
「ちょっとそれに関しては俺も驚いてるし反省してる」
「ちなみに途中から記憶がないんですけど、どれぐらいしたんですか」
「南が気を失ってから2回かな」
「ほんとに八雲さん!?」
大声が腰に響いたようで、痛っと腰に手をあてる。
その手に俺のも重ねると南の顔が赤くなる。
「南すごく可愛かった」
「っ、八雲さんはめちゃくちゃえろかった」
「背中にこんなに傷ができたの初めてで嬉しい」
「う、わ…すいません」
「こんなに爪をたてるぐらいよかったんだ?」
「だって!八雲さんが…弱いとこばっかやるから…」
だんだん語尾を弱く言う南ほんとかわいい。
押し倒したいなんて思ってたら、南のかわいさに自身が反応したのがわかった。
幸い、南にはバレてないみたいだ。
「ほんと可愛いなお前…好き」
「えっ、えっ?待って八雲さん!」
「可愛い南が悪い」
「だめだって!オレほんと、んっ…!」
「1回だけ……だめ?」
「それ、ずるっ…テスト、ひあっ」
「大丈夫。俺がちゃんと教えるから」
けっきょく性欲が衰えず3ラウンドまで致して南に怒られ、テスト期間が終わるまでセックス禁止を言い渡されたのだった。
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