15 / 238
放課後ユーフォリア 4
場内に照明がつき客がぞろぞろと退場していくなか、南は隣でぐったりしている。
本当に手しか触ってないのに感じることができるなんて…俺もよくここまで南を育てたなと感心。
いつまでもここにいるわけにはいかないから、南を支えながらとりあえず階段を下りる。
体を密着させながら南が隣で少し甘い声を漏らしたり、弱々しく俺の服を握ってきたり、えろさが半端ない。
できることなら今すぐ押し倒したい。
正直自分の家はおろか、近場のホテルでさえ遠く感じる。
劇場内を出ると、突き当たりにトイレがあるのが見えた。
一番奥にあるトイレだし、人気は少ないだろうと踏んで南と一緒の個室に入って鍵をしめた。
「ちょ、ちょっと待って八雲さん…」
今まで大人しくしてた南はさすがに察したのか、不安げに俺の名前を呼んでくる。
「南がえろいのが悪い」
反論される前に南の唇をキスで塞ぐ。
舌を絡めさせて呼吸がうまくできなくなってる南も好きだけど、唇を貪るように何度も角度を変えるキスが好きだ。
「ん…ちゅっ、ちゅ…ふぅ…」
南の柔らかくてかわいらしい唇を、蕩けさせるぐらいに食んで、吸って、貪って。
そうしてると、南のほうからも俺の唇を吸ったりしてくる。南の理性が少しずつ崩れてきてる証拠。
まだまだ拙いキスだけどそこがグっとくるし、なにより欲のまま俺を求めてくれるのが嬉しい。
ちゅっと唇を離すと、どちらのものかもわからない唾液がだらしなく垂れていた。
キスで相当疲れたのか、拭うことも飲み込むこともしない。
ペロッと口元から垂れてる唾液を掬う。
「んっ…八雲さん…」
「本当はちゃんと部屋でしてあげたいんだけど…俺のほうがもちそうになくて」
「オレ、も……今ほしい…」
「もうほんと、どこで覚えてくるんだよ」
「ちがっ…!ぜんぶ…ぜんぶ、八雲さんのせいだから」
「すげぇ殺し文句なんだけど…部屋じゃないのにこれ以上俺を煽らないで」
俺の恋人は世界で一番かわいい。
もう一度吸いとるようにキスをしながら南のカーディガンのボタンを片手で外して、ワイシャツの下から手を滑り込ませる。
わき腹や腹筋の筋を指で撫で上げるたびに、ピクピクと動いて反応した。
南の柔らかくも筋肉がついてる肌触りが気持ちいい。
ずっと触ってられる。
しばらく堪能してたら焦れったくなったのか、南が胸を擦り付けてきた。
うわ、これ絶対無意識。
こんなことされて何もしないほど、俺はできた人間なんかじゃなくて。
「ちゅ…んっ…はぁ、南、さわってほしいの?」
「わかっ、ない」
「さっきから俺に胸を擦り付けてるの、わかってないんだ?」
「んぅ、してない」
「ほんと可愛いな、お前」
「ひぁっ、」
南の唇を堪能したあとは、南の首元から鎖骨とキスをしながら下へ降りていく。
「ねえ、ここまだ触ってないのにこんなに勃ったの?」
ワイシャツの上からでもわかるぐらい、小さく主張している胸の突起を指で弾く。
南は高く甘い声で小さく漏らしながら、俺に胸をしがみつくように前屈みになった。
俺は便座に座ると、南を膝の上に向い合わせで座らせる。
「南、俺の髪引っ張ってもいいから」
「八雲さん…?」
意味がわからないというふうに俺を見てくる南に優しく微笑むと、ワイシャツの上から小さな突起を口に含んだ。
ともだちにシェアしよう!