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夏祭りに影とりんご飴 6
南の頭と腰を支えられながら、深いキスをする。
ぐっと腰を引いてるから、少し態勢がキツイと思う。
南の飲み込めなかった唾液の量がいつもより多い。
「も、くる、し…」
キスの合間に苦しいって言われて、南に夢中になってたことに気がつく。
はーはーと肩で息をする南の唾液を舐めとった。
「ごめん。だけど可愛いことする南も南だから」
「ん…だって…」
まさか矢吹と立花に嫉妬してくれるとは思わなくて。
寂しそうにくっついてきて袖を引かれたら、それはもう堪ったもんじゃない。主に下半身が。
このまま南の隣にいたら、また襲いそうだ。
なんのために弓道場へ行ったのかわからなくなる。
南は呼吸を、俺は心を落ち着かせよう。
「飲み物買ってくるから、ここで待ってて」
「え!そんな、いつも悪いからオレが――」
「だーめ。南のえろい顔、俺以外に見せることになるから」
「えろ!?」
南は2回のキスで完全に蕩けた顔をしていて、見なくてもわかるけど下も少し反応している。
触れるだけのキスでもすぐ蕩けるのは可愛い反面、少し不安にもなる。
「すぐ戻ってくるから、そのえろい顔も直していい子で待ってて」
頭をくしゃっと撫でてあげれば南の顔はみるみる赤くなっていって、それを隠すように俺の胸に飛び込んでくる。
自分の顔を隠すために俺の胸に飛び込んでくるとか…もう、本当に限界。
今すぐ押し倒したい。
「だからさ、そういうことされると襲いたくなるから」
自分の腰を南の方に寄せて、反応してしまった自身を擦りつける。
南はその熱にびっくりしたようで、胸から勢いよく顔を離してこちらを見上げた。
「なっ、やっ…」
「それとも…南は、ここでシたい?」
俺は腰に力を入れて自分の熱を押し付ける。
南はもう観念したように俺の身体を押し返した。
「もう!わかった、から!飲み物買いに行ってください!」
「はいはい、いい子にな」
俺は立ち上がって飲み物を買いに行くべく、南から離れる。
でもこの後、南を1人残したことを酷く後悔するはめになる。
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