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夏祭りに影とりんご飴 17

飲み物を買って戻ったら、待っててと言ったはずの南がいなくなってた。 最初はトイレにでも行ってるのかなって思ったけど、それならスマホのほうに連絡が来るはず。 南は連絡をマメにしてくれるから、些細なことでもメッセージが送られてくる。 でも、トイレじゃなかったとしたら…? 下をよく見てないで歩いてたら、ぐぐっと足で何かを踏んづけた感触がした。 スマホのライトを点けて見てみたら、そこには南がタベテタはずのりんご飴が潰れていた。 その横には、黒の折り紙で作られた鶴が置かれている。 「……」 この黒い折鶴には見覚えがあるし、誰がやったのかも見当がつく。 南が狙われたのは偶然じゃなくて、ちゃんと俺のことを調べたうえでの犯行らしい。 俺は折鶴を持って、右京さんのところへ急いで向かった。 というのも、本田家と銅家には古い付き合いがある。 こういう問題は、同じ世界にいて信頼関係のある右京さんにお願いするのが最前だ。 さっきの屋台に戻ってきて、右京さんに折鶴を見せてからは早かった。 すぐに察してくれた右京さんは、臨時で屋台を閉め、すぐに動いてくれた。 矢吹と立花にも詳しいことは話さず、だけど的確な指示を出して。 正直、右京さんがいなかったら見つけられなかった。 見つけたとしても、もう手遅れになっていたと思う。 けっきょく、南がいたのは神輿がしまわれる倉庫の中だった。 俺は南を優先させて、右京さんに攫った奴を探してくれとお願いした。 右京さんから連絡がこないあたり、難航しているんだろう。 昔から逃げ足だけはピカイチな奴だった。 本当は南を家かホテルまで連れて行きたかったけど、そんな時間と余裕なんかなくて。 けっきょく元いた神社に戻ってきてしまった。 初めて外でシたけど、ハマるかもしれない。 事後処理で南のナカから精液を掻き出したんだけど、まあ、えっろい反応するもんだから熱を抑えるのにとんでもない力を使った。 もう何回もシたはずなのに、まだ反応する余裕がある自分にほとほと呆れる。 南から絶倫って言われるわけだ。 今は階段に2人並んで座ってゆっくりしているところだ。 南は寝てはいないけど、俺の肩に頭を預けて目を瞑っている。 落ち着いてる穏やかな顔を見て、もう二度と危険な目に遭わせないと誓った。

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