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恋人コンプレックス 7

翌朝。 昨日、明るい時間に3発ぐらいヤったあともすごかった。 早めのお風呂入ってたあとごろごろして、夕飯の買い出しに行ってご飯を一緒に作って食べて。 途中から意識飛んで記憶にないんだけど、5発ぐらいヤった気がする。 八雲さんってほんと信じられないぐらい絶倫でヤバイ。 体力もありすぎる。 もうムリだって言ってるのに、八雲さんは全然やめてくれないし。 いや、たぶんオレが本気で嫌がればやめてくれるんだけど…。 本気で言えないあたり、オレも相当なのかもしれない。 「は~~~」 と、誰もいなくなった自分の部屋で大きな溜め息をつく。 「オレの部屋で……8回も……」 八雲さんが帰ってから数時間は経つのに、オレの部屋には八雲さんの匂いがそこらじゅうに残っていて。 あんなに激しいの久しぶりだったから、思い出すとちょっと…いや、かなりヤバイ。 「も…なんで…」 オレのベッドにまだ色濃く残る八雲さんの匂いにあてられて、前も後ろも疼き始めてきた。 こんなことですぐ反応してしまう自分が嫌になって、治まれって念じれば念じるほど疼きが強くなっていく。 欲しい。八雲さんが、今すぐ。 1回そう思ってしまえば身体は正直なもので、八雲さんを求めてるのが嫌でもよくわかる。 散々シてきたのに、まだ八雲さんを求めるなんて…。 こんなこと八雲さんが知ったら、呆れるかもしれない。 でも、この身体のほとぼりが冷めるはずもない。 意を決したオレは、スマホと家の鍵だけを持って家を飛び出した。 外は思ったより暑くて、ギラギラと輝く太陽が全身に突き刺さる。 外側も内側も熱くて、溶けてしまいそう。 はあはあ言いながら歩いてるから、周りから見ればちょっとヤバイ人に見えるかもしれない。 でもそんなこと気にしてる余裕はなくて、ただひたすら八雲さんを求めて歩き続けた。 「着いた……」 やっとの思いで八雲さんの住んでるアパートまで来れた。 もういろいろ限界がきてるオレは、震える指でインターホンを押す。 「…………」 けど、運の悪いことに留守にしているみたいだ。 何回か押してみても反応がない。 「はあっ…八雲さん…」 自分の家に帰る気力もなくて、八雲さんが帰ってくるまで待とうと思ったオレは、ずるずると倒れ込むようにその場にしゃがみ込んだ。

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