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第2話

結局土下座とあの捨てられた子犬みたいな瞳に負けて…サンを許してしまった…俺… Hしたって 男同士なんだし孕む事もないと開き直る… 自分で云うものなんだけど… 本当に自分ちょろい 「耳かき!して!」 とサンが水やりしてる俺に声をかけてきたので縁側に座って耳かきをしてやる 膝にサンの頭を乗せて撫でてやると気持ちよさそうに目を細めた あぁ可愛いそのまま尻を撫でてくるのさえ止めてくれたらなお可愛いのに… 「あ~気持ちイイ」 って言いながら人の尻を撫で回すのはやめてほしいんだけど……耳かきに集中できないじゃないか… 「よ~し!」 とやっと満足してくれたみたいで起き上がるサンにお礼を言われ立ち上がる 膝が痺れてるから屈伸するとケツの筋肉が痛てー!!と思ったらサンの手が俺を支えて座らせてくれるのでお礼を言う 「今日のオヤツは?」 と聞いてくるので 「おはぎ」 と返すと サンが眉と耳を下げた  序にツヤツヤな尻尾もたらりと下がる 「あの黒い変な甘いやつ?」 ふはははは サンは海外産まれにしては日本食食べられる方だけど 納豆とあずきは大嫌いなのだ 「大丈夫 サンにはミントゼリー作ってあるから」 と教えるとホッとしながら台所についてくる なんか可愛いなとか思うし幸せそうなサンを見るのは好きだ。 うんやっぱ俺ってチョロいなぁ 「ちょっと待ってて」 と言って冷蔵庫からゼリー出してやると嬉しそうにスプーンで掬って口に運び始めたのでお茶を入れてやり自分も食べる。 自分のは濃い目の緑茶にしてみたんだけどこれがまた美味しいのだ! 濃い緑茶はおはぎにとても合う サンにはホットレモネードを作りおいてやると 「だからさ…マリのそういうトコロが駄目なんだよ」 と サンに凄い切なそうに言われた 「え?料理趣味だし そんな手間隙じゃかかるもんじゃないし」 と返すが 「そういうんじゃなくてさ!」 となんか怒るサン……サンのこういう処は良く分からない。 「作ったから お礼になにかしてくれとかマリ言ってこないじゃん」 「あ うん」 だってサンだけじゃなくて 親切にしてあげて笑顔返してもらったらそれでいいと思うんだけど そーいう世界で俺はずっと生きてきたけど… 「そーいうの 慣れてなくて最初凄い怖かったんだ」 もしかして サンとは住んでた世界が違うのかもしれない… 「正確にいうと警戒してた…俺を懐柔して何をさせたいのかなって…でも マリ何も要求なんかしてこないで ずっと甘やかせてくれるから…最後の駄目押しで無理やり抱いちゃった」 うぉ アレって試し行為だったの?? 「あれで 怒られたけどマリ突き放したり凄い要求したりしてこなかったからさ ますますマリが好きになっちゃった でさ最近ご近所のヤツ等がマリをかまうと イライラする 俺どうなっちゃったんだろ…」 とかスプーン加えたままサンがせつなそうな顔をする それは たぶん 「恋」というやつだと思うんですけれども…言えるわけない…  「それ 多分嫉妬ってやつだと思うよ」 元の感情はこっちにおいておいて 「イライラ」の部分を教えてやるが 「嫉妬?なんで?」 と聞いてくるので俺はもうお手上げだ…… 「相手が好きだから相手の事が気になって自分の物にしたいって思う事かな?」 って言ったらサンがまた顔を赤くした。うん可愛いなと思った 俺の言葉で照れたり赤くなったりするのが嬉しかったりするから俺は相当こいつに絆されているのかもしれない…… 「マリは俺が誰かと仲良くしてると嫌?」 「あ いや 普通男同士で嫉妬とか無いだろ 友人だよ」 と即座に答える と サンがうんうん考えた後 「あ わかった俺はマリに恋してるんだ!!!」 とか言い出した 人が結論をはぐらかそうとしてるのに 感 のいいヤツだな! 「いや違うだろ!!」 って叫んだら 「俺マリに恋してんだよ 初恋だよ初恋!!」 と興奮してもう一度力強く宣言された……止めて!!なんか超恥ずかしいっ!! 「しかも 両思い!!!!」 え 俺? うんサンは好きだけど男に抱かれるのはそんな好きじゃないよ  「両思い?なの?」 と聞く俺に サンが驚いたように大きな目を見開くと 「え?マリ俺の事大嫌い?」 とか聞いてくる え!そこ「大」を付ける?答えるのに困るじゃないか 「う~~ん わりとスキ?かな」 と云う俺に お日様みたいにサンが笑う 「へへ やっぱ両想いじゃん!」 とこの上もなく嬉しそうなサンに 反射的に笑い返してしまったよ 両想いと言い切るには 難ありだとは思うけど でも 笑ってる彼を目の当たりにしてちょっとホッとしたのは内緒だよ。 まだ恥ずかしくて絶対言えないんだけどね…… 続く!!

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