26 / 32
第26話 これで、最後だね。※
ジスの部屋に案内される。ロウソクの灯された部屋は、ふわふわと漂う雲の上みたいだった。
「さあ。おいで」
ベッドの上で僕のことを待っている魔王様。誘うような低い声に、僕の身体は静かに従う。
ふにゅ、と唇を奪われる。何度か首の角度を変えて、2人してキスに溺れる。僕はいつのまにか、キスの息継ぎができるようになっていた。
ジスの肩に手をのせて、ひたすら口を食む。ぬるりとした肉厚な舌に転がされながら、ぽたぽたと唾液を垂らして応じる。
ジスの口の中熱い……。
きゅ、とジスの羽織の胸元を掴めば、ようやく唇を離してくれた。
「上達したね」
キスのことだろうか。だとしたらものすごく嬉しい。そんな些細なことまで見ていてくれたんだって。
「今夜はそなたをわたしだけのものにする」
「……はい」
震える僕の声を、ジスはちゃんと聞き取ってくれる。
「今日は僕からさせてくださいっ」
「よいよ」
僕が勇気を出して申し込めば、やや見開かれたジスの瞳は途端に細い線になる。ジスが笑うときにできる目の形だ。
僕はジスの羽織を脱がして、裸にさせる。僕も自分の服を脱ぎさり、裸になった。
ジスの左耳に唇を添わせる。ちゅ、ちゅく、と音を鳴らして舌を耳に侵入させる。
ジスは耳は感じるのかな。
すると、ジスのものが段々と硬さを増して腹につくくらい大きく成長した。
ああ、よかった。感じてくれているんだ。
その事実に胸がぽやぽやする。僕は嬉しくなって、ジスの首筋をあむあむと甘噛みした。右手でジスのものを撫でながら、左手でジスの胸の飾りを撫でる。そうしていると、だんだんとジスの吐く息が上がっていくのがわかる。顔を見れば、目を閉じて口を閉じ、感じているようだった。
ジスのもののくびれを意識して手を動かすと、頭上から気持ちよさそうな溜息が降ってくる。ジスの怒張を口に含む。ぺろ、と裏筋を丹念に舐め上げて、舌先で絡めとる。じゅぷ、じゅぷというはしたない音が2人の間に生まれた。
「ジス……きもちい?」
口を離して問いかければ、ジスは腕で目元を覆いながら軽く頷く。
よかった。ジスを気持ちよくできた。
僕がほっ、として休憩しているとジスの手が僕の後頭部を掴んだ。
「すまない」
「ひゅぐっ」
余裕のない短い言葉を放って、ジスは僕の後頭部を固定して自ら腰を動かし始めた。前後にゆっくりとだったのが、どんどん早まっていく。僕は喉奥を突かれて、酸欠状態に近い。
けど、ジスが感じてくれるなら……。
「っ……」
「ん!?」
喉奥に、打ち付ける熱い飛沫を感じた。
あ、たくさん出てる……。
僕の屹立はまだ触れてもないのに既にかちかちだ。ジスの感じてる様子に影響を受けてしまう。ずるり、とジスのものが僕の口内から出ていく。口の中に残ったものを僕は手のひらに出した。ねっとりと濃厚な白蜜を見て、それをそのまま自分の蕾に塗りこんだ。
「……阿月?」
果てたばかりで戸惑うジスを無視して、僕はジスの上に跨り怒張を飲み込んでいく。僕の蕾は指で解さなくてもその形に慣れてしまって、もうジスを飲み込む用意はできていたようだ。ぐぐ、と体重をかけて腰を落としていく。
「ふぁ……あん」
ジスの先端がぐりぐりと胎内を押す。その圧迫感がやみつきになってしまった。
僕はいけない子ですね……魔王様。
ともだちにシェアしよう!