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第40話 阿月の発情期(シュカ王子side) ※
「……」
阿月を抱いた後に自室に戻った。俺は壁に背中を付けてへなへなと座り込む。
オメガの発情期は辛いと聞く。俺が以前関係を持っていたオメガも辛そうだった。
だから、阿月の初めての発情期は優しくしたかったのにーー。
強烈な阿月のフェロモンに身体を自制するので精一杯で、何を口走ったか覚えていない。
今晩に限らず、ちょくちょく阿月のことをからかうことはあったが、今日の阿月のかわいらしさといったら、この上ないほどのかわいさだった。
とろんとした黒い瞳と、半開きの口からは唾液が溢れていて……。透明感のある肌は、汗でしっとりと滲み、自慰に耽る姿はたまらなかった。それで、後ろから突くような抱き方をしてしまったが……。
とろとろに溶けたような阿月の胎内は、俺のものを柔らかく包み込んでくれた。俺のものも一緒に溶けてしまうくらい心地がよかった。俺が感じすぎて声が出にくいなんてことは初めてだった。
イく瞬間は、もうここ数年感じたことの無い強さの快感だった。やはり、運命の番というのは身体の相性も良いという噂は本当らしい。
阿月のあんなに感じた顔と声は初めてだった。やはり、発情期のほうが性感帯が敏感になるのだろうか……。
ここ最近は、軍議や遠征でなかなか顔を合わすことができなかった。その分、俺の阿月への愛情が増したということだろうか。
きなこのほうからも、阿月は毎日の勉強を真面目に受けているし、小テストも満点だと聞いている。フォリーヌ王国についてもっと知識を付けさせて、早く俺の元で従事させたい。従者になれば、俺の遠征へも連れて行ける。そうすれば、王宮のあの狭い部屋で寂しくさせることもない。俺はまだ今年20になったばかりで、王子としての顔を確立するまでは油断できない。
いつかは阿月の子どもを……俺の世継ぎを産んでもらうために、今はお互いのペースを守りながら、もっと阿月のことを知っていきたい。
先程までの熱を思い出し、夢の中でも阿月に会えるようにと眠りについた。
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