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第80話 ※

「っ……はぁ。阿月。お前という奴は……なぜこんなにかわいいのか」  キスで乱れた僕の髪を王子が梳いてくれる。以前より僕の襟足が伸びているのに気づいているらしく、猫のしっぽを触るような手つきで撫でられている。 「んゃ?」  惚けた口からはへんてこな言葉しか出せなくて ──。 「……たまらぬ」 「わっ」  どん、とベッドの上に沈められた。王子は僕の着ている寝衣の隙間から手を差し入れると、昼間に屋外でしたように胸の飾りをぴんと指先で弾いてきた。 「ぁ……やっ」  かりかりと整った爪先が乳頭を擦る。じわじわと快感が胎の中に貯まっていくような感覚に足が小刻みに震える。王子は僕が感じている様を見るのが趣味のひとつと以前言っていたのを思い出す。その場面にはきなこくんも桜もいて、皆で軽く雑談をしていたのに僕にだけ聞こえるように耳元でこっそり耳打ちしてきたのだ。その瞬間、ぶわっと頬に熱が集まり桜から「熱でもありますか?」と心配されたものだ。 「ふふ。阿月はやはりここが弱いな。そら、もっと愛でてやろう」 「ひゃ……ん」  王子が僕の寝衣を剥ぎ、直に胸に吸い付いてくる。左胸に顔を埋めてぺろぺろと胸の飾りの周りを舌で濡らす。右胸は王子の左手で何度も弾かれる。指先と舌との両方の愛撫に腰が戦慄いた。うずうずと僕の腰が揺れるのを王子は気づいているはずなのに、下半身には全く触れようとしてこない。僕は既にそそり立つものが布越しに王子の腹に擦れてしまい先端を我慢汁で濡らしていた。  なかなか左胸の突起を舐めてくれない王子にもだもだとしていると、不意にぢゅぢゅと勢いよく突起を吸われた。かくん、と腰が上がる。陸に打ち上げられた魚のようにびくびくと身体が跳ねた。僕はもう恥ずかしさのあまりその場から消えたくなった。 「そんなに震えるほどいいのか」 「う……っあ……や」  そう呟くと王子はぢゅるぢゅると唾液を含ませて胸の突起をしゃぶり始めた。こんなに強く吸われるのは初めてで身体が驚く。脳味噌ごと揺さぶられるような激しい快感に僕の足の間のものが一気に膨らむ。身体中の血液が下肢に運ばれるのがわかって羞恥で目を閉じていると、王子が右胸の突起をぎゅっと抓ってきた。痛みすら覚えるような強さで摘まれ、僕の唇からは唾液が止まらなく溢れる。  すると王子は舌先を尖らせて胸の突起を刺激し始めた。弾力のある熱い舌に突起を押しつぶされたり、転がされたり、引っ掛けられたりする度に身体の熱が胎に集まる。 「乳首だけでイくのか? いいぞ。いつでも好きな時にイけ」  果てる許可を得た僕はぐっとお腹に込めていた力を抜く。そうすると一気にとぐろを巻くような快感が腰から先端へと注がれていくのを感じた。 「っあ、上がってきてる……っ出る……」 「イけ」 「……っイく、イきましゅ……っ」  頭に血が昇って言葉が上手く出てこない。変な日本語を喋ってしまった気がして頬を赤らめていると王子は眉を困らせて笑う。 「イきましゅ? はは。快感で頭が一杯になって舌足らずな阿月も好きだぞ」 「っあん……ん"んっ」  シュカ王子から放たれた「好き」という言葉の衝撃が身体を駆け抜けた。僕は腰を突き上げる姿勢で精を吐いた。寝衣を貫通したゼリー状の白濁が王子の腹にかかる。吐精の余韻は長くて心地よかった。僕はびくんびくんと腰を揺らして王子の鍛えられた腹筋に意識朦朧としたまま自身のものを擦り付けていた。

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