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第81話 ※

「なんだ。まだ物欲しそうに擦り付けて……これくらいじゃ物足りないか?」 「あうっ……」  王子に寝衣越しに屹立を扱かれる。ぐちゅぐちゅと粘液の混じる音が下肢から届き僕の耳を犯す。あまりの羞恥に僕は両腕を上げて顔を隠した。王子は「へえ」と軽く呟いてから僕の寝衣を強引に脱がしにかかる。くったりと力の抜けた僕を抱き寄せて王子が自身の寝衣の紐を解く。はらりとシーツに落ちた紐が僕の腰骨に掠れてくすぐったい。思わず身を捩ると王子が僕の足の間に割って入り一糸まとわぬ下腹部に頭を埋めた。 「っああ"……ひ……っう」  じゅぷじゅぷという淫靡な音が足の間から聞こえる。僕は組んでいた腕を少し緩めて腕の隙間から自分の下腹部を見下ろした。王子が僕のものに手をかけ動かしている。同時に鋭利な舌先でちろちろと先端の鈴口を舐めていた。竿の根元をきゅうっと指の輪っかで締め付けられたまま、亀頭だけを口に含み|舐《ねぶ》られる。イったばかりだというのに僕のものは上を向きまた質量を増やしていた。快感に敏感な身体は嘘をつけなかった。王子は唾液を含んだ舌で何度も下から上へ舌を添わせてくる。自分のものが力強く脈打つのを感じた。王子は目を伏せて僕のものをしゃぶり続ける。乱れた前髪と細かく震える睫毛を綺麗だと思った。 「んん……っ……だ、だめっ。またイっちゃう……」  ぞりぞりとざらついた舌先で裏筋を舐められて腰がわななく。王子に根元を指で押さえられているから思うように精を吐き出せない。足をばたつかせていると下腹部から王子の目が射るように僕を見据えた。太ももの裏がぴんと張り詰める。瞳だけで伝わる。王子の菫色の瞳は細くつり上がり『まだイかせない』そう命令している。 「はっ、はやく僕を抱いて……!」  僕は思わず本音が洩れでてしまう。王子は目元を引き伸ばして微笑み、屹立から口を離した。 「珍しいな。阿月のほうから俺をねだるなど。そんなにはやくイきたいのか?」  口元の唾液を手の甲で拭う王子は、してやったりという満足気な表情を浮かべている。ぺち、と何か弾力のあるものが僕の尻を叩いた。その正体が何なのか見なくてもわかってしまったため、王子の手のひらを探して恋人繋ぎをしてみた。 「シュカ王子の、僕にちょうだい」 「……」  王子は数秒一時停止してから僕の双丘を鷲掴みにした。何度か揉んでからひくつく後孔へと指を押し入れた。難なく指を飲み込んだ僕の身体はシュカ王子の色に染まっていた。指先がとんとんと中を叩く。一番敏感な部分に指の腹が当たり、ぐうっと押されると圧迫感で脳が揺さぶられるくらいの強い快感の波が押し寄せてきた。さらに2本、3本と指を増やされても苦しくはなかった。その代わりにじいん、とした快感が背筋に走った。 「ほら。ここ好きだろ」  とんとんと指の腹で胎の奥を押し上げられる。がくんっと腰が跳ね上がった。つま先がぴんと伸びて固まる。 「ああ。ドライで中イキしたのか。偉いな。阿月。出さずに我慢して」 「ふぅ……う……っ」  僕は自身の昂りの根元を指の輪っかで固く押さえつけ、吐精するのを防いだ。まだシュカ王子からイく許可を得ていないからだ。王子を失望させたくなかったし、言うことを聞けるいい子でいたかった。

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