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同じ空の下7

 パリでカフェ巡りをした後はローマに飛び、ローマでカフェ・バールをまわる。  フランスでは日本と同じように普通にカフェだが、イタリアではバールになるが普通にバールと言うと立ち飲みになる。日本でいうカフェの場合は、カフェ・バールと言ってカフェメニューがメインになる。ちなみにバールは他にもあり、カフェ・バールと似たバールにパスティチェリア・バールがある。パスティチェリア・バールはタルトやケーキと言ったドルチェがメインとなる。他にも食事をするバール、お酒を提供するバールと様々なバールがある。  バールでコーヒーを飲むのに席に寄って値段が違うのはフランスと一緒だ。外の席が一番高くて中に入ってカウンターで立ち飲みをするのが一番安い。俺はいつも1人のときは時間がないときは立ち飲み。しっかりコーヒーを味わうときは店内の窓際に座る。外の席は景色がいいけれど、1人だとなんだか落ち着かなくて店内に入ってしまう。  パリで2泊して、ローマでは1泊、そしてデュッセルドルフで2泊してパリ経由で日本に帰る。お店があるから駆け足にはなってしまうけれど、それでもただコーヒーを飲みに来ているんだから贅沢というものだ。  パリでは2日目は昼間は服を見てまわる優馬さんとは別行動なので、1人でカフェを数店まわり夜だけ一緒に食事をしてカフェへ行った。  ローマは今日だけなので、数店のカフェ・バールをまわる。イタリアもフランスと一緒でコーヒーと言ったらエスプレッソだ。ちなみにエスプレッソを注文すると水も一緒に出てくる。これはエスプレッソの風味を味わう為だそうだ。飲み方としては、水を一口飲み、口の中をリフレッシュしてからエスプレッソを飲み、風味を味わう。飲み終わった後にも水を飲むと口の中に残った雑味を洗い流し、旨味の余韻を楽しむ、という飲み方だ。エスプレッソは最初は苦いと思うけれど、慣れてくるとそんなには感じない。  ちなみにカフェ・バールでのコーヒーのメニューとしては、ストレートで飲むのはエスプレッソとカッフェ・アメリカーノ、エスプレッソの冷たいものとしてカッフェ・フレッドがあるが、その3つのみだ。で、後はカッフェ・マキアート、ラッテ・マキアート、カッフェ・ラッテ、カプチーノと言った牛乳やミルクを入れたものになる。  今日も朝からカフェをまわり、夕食にピッツェリア・バールでパスタを食べてホテルの近くのパスティチェリア・バールに来た。コーヒーは定番のエスプレッソでティラミスを楽しんでいる。コーヒーを飲むだけならピッツェリア・バールでも飲めるけれど数あるスイーツからスイーツを選んでコーヒーを飲みたいと言うときはパスティチェリア・バールに移動する。  今日数杯目のエスプレッソで一息つく。明日はデュッセルドルフに移動だ。初めてのドイツ。今まで何度行こうと思ったかわからない。大輝がドイツのどこにいるかはわからない。それでも同じ空の下にいたいと思った。それでも行ってしまえばサッカーの試合を見てしまいそうで行くのをやめていた。今回だって正門さんのお弟子さんがデュッセルドルフにいなかったら行かない。同じ空の下に行くことにドキドキする。でもひとつ決めているんだ。絶対にサッカーは見ないって。そのためにホテルではテレビはつけない。そこで大輝の姿を見かけることのないように。  明日からの初ドイツに思いを馳せつつ今日のコーヒー日誌を書いた。

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