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12話(2)#休憩なんて許しません?!お腹も膨れ、遊び疲れたあとはやっぱり?!

「睦月さん、睦月さん。キスやめないで。やめたら次は本当に、指挿れちゃうよ」 「っあ…んっ…だめぇっ…あっ…キスするからぁ…はぁ…待っ…ん……んんっ」  Tシャツの下に手を這わせ、胸の突起を指の腹で擦る。目をとろんと垂れ下げ、肩を震わせながら、一生懸命、私に口付けをする姿に、下腹が熱くなる。はぁ、すごくかわいい。 「き、如月ぃ……ぁっ…あっ…まっ…前、前当たってる……んっ…はぁ……」 「当たってるんじゃなくて、当ててるんですって」  恥ずかしそうに頬を赤らめ、私から離れようとする睦月の腰を、後ろから押さえつける。もっと、可愛い鳴き声が聴きたい。欲望に駆られ、再び、指先を口の中で湿らせた。  睦月のズボンと下着を引き下げると、引き締まった尻が露わになった。ここに指が入ること自体、初めての睦月に考慮して、ゆっくりと一本の指先を沈ませる。  くちゅ。 「あっちょ…何脱してっ…や、待っ…んあっっ」 「痛い? まだ全然挿れてないけど……」 「いたくはないっ……変な…あっ…」  指先が少し動くだけで、睦月の肩がビクッと上がる。どうしよう、可愛い。胸の上で、睦月が、私の服をぎゅっと掴んだ。 「もう少し挿れるよ」 「えっ? えっ…あっぁあっ…だめぇっ…やあっ」  肉壁に沿って、押し開きながら、少しずつ指先を奥へ進める。私の指先に合わせるように、睦月が頬を赤く染め、身体を震わせる。可愛い、可愛すぎる。 「睦月さん、キス」 「んっ……できないよぉ……あっ…ちょっ待っ……んんっ…んっ…」  睦月と自分の上半身を起こし、睦月を膝の上に座らせる。唇を口唇で甘噛みして、口唇に隙間を作り、舌先を捩じ込む。絡めたり、離したりして戯れる。  キスを重ねる度に、睦月の目尻が下り、その蕩けた表情が可愛くて、つい、何度も口唇を重ねてしまう。睦月の中で、指先をつんつんと、優しく押した。 「んん…ん…ふ…はぁ……んっあ…ん…はあっ…もぉむりぃ……んっ……」 「気持ちよくない?」  私の胸に寄りかかり、睦月が休憩しようとする。そうはさせない。睦月の顎を持ち、引き離した。 「……なんかもぉ…身体が熱くて……変な感じがずっとして…」 「ふふ。そっか。もう一本指挿れるね」  睦月の顎を少し上げ、口唇を触れ合わせる。ちゅ。好き。大好きだよ。睦月さん。口付けに、愛を込める。  指先を二本に増やし、ゆっくりと押し込む。一本でもかなりきつく感じたが、二本は更に指先が締め付けられる。  ぐちゅ。 「っんはあっ……あっ、ぁあっ……だめっ…ぁっあっ…そこ…ふぇあっ…」  前立腺を軽く押すと、力強く背中の服が掴まれた。頬は紅潮し、薄く涙を瞳に浮かべ、虚な表情で私を見つめる睦月に、抱きたい欲求が湧く。身体全体に渦巻く熱が、私の性欲を煽った。  物凄く腰を振りたいが、グッと堪え、指先を睦月から引き抜く。抜かれる瞬間でさえ、身体を震わせる睦月が、初々しくて可愛い。  ぬちゅ。 「んぁあっ……」 「最後までは出来ないけど、せめて、お互い気持ちよくなりましょ」 「えっ? あっ…ちょっあっ」  睦月の幹に手を伸ばし、優しく手のひらで包み込む。蜜を滲ませている先端を指先で優しく撫でた。 「あっやめっ…はぁ…やっ……」 「睦月さん、私のも触って……んっ…はぁ…」  お互いを見つめ合い、手のひらで擦り上げる。  甘い鳴き声も、蕩けるような大きな瞳も、ビクビクと小刻みに反応する体も、貴方の全てが、愛しくて、可愛い。  睦月さん。私はやっぱり、あなたを見ていたい。  ーーーーーーーーーーー  ーーーーーーー  ーーー  * 「ひ、疲労感が……」  ふらつく体で、汚したものを全て処理する。こういうのって、受けじゃなくて、攻めがやるものじゃないの? なんで如月は何もしないの? 「睦月さん、お腹空きましたぁ」 「ぇえ~~っ! 今、俺シーツ変えてる~~」  ポケットからスマホを取り出し、時間を確認する。確かに、お昼ご飯の時間を少し過ぎている。  ぎゅ。  如月が後ろから抱きついた。さっきまで、えっちなことをしていたせいか、密着する身体に、後ろがキュッと締まる。 「……いつもは冷たいくせに……」 「なに? なんか言いました??」 「べつにぃ~~これ変え終わったら作るね」 「うん」  背中から如月のぬくもりが消える。離れられると、それはそれでさびしい。如月がリビングに行くのを見て、心の中で少しだけ拗ねる。  とりあえず全部洗濯しなきゃ。今ならまだ、干しても乾く。洗濯機に汚れたものを全て入れ、回した。  さてさて、次はお昼ご飯の準備。  キッチンへ向かい、炊飯器の中を見る。2人分くらいの、炒飯が作れそうな白米が残っていた。納豆炒飯でも作ろうかな? 冷蔵庫から納豆を手に取り、タレを入れ、かき混ぜる。 「なっとぅ~~なっとぅ~~なっとぅちゃーはん~~」  フライパンをコンロに置く。ごま油を入れて火をつけた。卵を1つ割り入れ、取り出しておいたご飯をフライパンに投入する。  フライパンを揺すりながら、木べらで混ぜていく。 「ふんふんふ~~ん」  OK OK、いい感じ。納豆をフライパンに入れる。熱しられた納豆は、芳醇な香りを部屋に漂わせた。 「くっさ!!!!」  リビングから如月の声が聞こえた。 「え?」  作っている俺からしたら、匂いなんて、何も感じない。くさいと言われても。致し方なく、換気扇を強くする。 「何作ってるんですか?」 「納豆炒飯!!!」 「普通の炒飯でいいのに……」  如月がフライパンを覗き、目を濁らせた。そんな、眉間にシワを寄せて見るなよ。納豆炒飯、美味しいのに。  塩と胡椒を適当に入れ、醤油を回しかける。また木べらで混ぜていく。 「完成~~っ!!!」  大皿に炒飯を移し、スプーンを2つ添え、リビングへ向かう。テーブルに皿を置き、如月の隣に座った。  手を合わせ、料理を食べ始める。でも、如月は一向に、炒飯を食べようとしない。 「くさいです。とても」 「食わず嫌いだって!!! 納豆とご飯で食べるより、美味しいよ?」 「う~~ん」 「ほら、がんば!!!」  如月が渋々、スプーンで炒飯を掬い、口に運んだ。ぱく。 「あ、食べてしまうと、あんまり匂いは気になりませんね! 美味しさを感じます」 「でしょ~~」 「お昼ご飯、作ってくれて、ありがとう」  如月が炒飯を食べながら、目を細め、優しく俺に微笑みかける。  こんなことで良いならいくらでも作るよーー。  

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