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13話(5)#初めてのえっち。感じたことのない気持ち良さ?!

「え? 何してるの?」睦月のバスローブの紐を握り、ゆっくり引っ張る。 「脱がせようかなぁって」紐が解けると、睦月から降り、指先にローションを付けた。 「なんで付けるの……?」どろっとした指先を見つめる。準備万端だ。 「痛いの嫌じゃない?」  ベッドに横になり、後ろから抱きしめる。バスローブに手をかけ、肩から下ろす。浴衣も良いが、バスローブも良い。剥き出しになった肩にそっと頬を付けた。 「で、何をされたのかなぁ?」 「ーー~~っ!!」  耳を甘噛みする。音を立てながら、舌先で耳の周りをなぞっていく。睦月の顔を横目で見ると、頬を少し赤らめながら、耳の中で響く音にビクッと反応している。 「こんな風にキスされたとか?」 「違っぁあっ」  耳の後ろから首の付け根に向かって、口付けしていく。 「じゃあなんですか? やってみて?」肩に顎を乗せ、顔を覗き込む。 「それは……ちょっと……」目が泳いでいる。出来ないことらしい。 「そんな如何わしいことを?」呆れと軽蔑の眼差しで睦月を見る。 「違う! 違わない? やだ~~」  思い出したのか、恥じらっている。不愉快だ。 「ふ~~ん。特別に私でやってみても良いですよ」なんだか腹が立つ。 「それなら、いいけど……」  * 「…………っ」  少し後ろに反り、バスローブの隙間から手を入れ、盛り上がっているところに手を添える。如月を見ると、薄く目を開け、頬が染まっている。上から目線で言ってきたくせに、この攻められ弱さ。ぞくっとする。 「大したことじゃないよ? こうやって撫でられただけ」もう少しみたいし、盛っておこう。 「ーーっあ……待っ…あっ…絶対違うでしょ……ん」  添えた手をゆっくり下着の中に手を入れ、直に触る。少しずつ手を早めた。手の中で如月が感じているのが分かる。如月の方を見ると目を瞑り、頬を染め、動かすたびに肩をビクっとさせている。 「まぁ、こんな感じかな?」そっと下着から手を抜く。 「………………」しかめ面だ。 「なに~~? 気持ち良かったくせに」寝返りを打ち、如月の方を向き、頬に軽くキスをする。 「……うるさい」  なんだか可愛く思え、顔を近づけ、唇を重ねる。何回も、何回も、重ねては離す。それを繰り返していく。  さりげなく、如月に覆い被された。ちょっとぉ。 「ん~~ーーっ!!」差し込まれた舌と共に脚が軽く広がる。 「すこしずつ慣らしますね~~」どろっとした指先が目に留まる。 「……変なものは使わないで……」ふと、鞄の中身を思い出す。アレはやだ。 「変なものってなんですか~~? あ、これ?」ぎゃーーーー!! 「大丈夫、大丈夫~~。最初は指でやるって。奥まで指入れなかったけど、一度体験してるでしょ?」語尾にハートマークが見える気がする。 「そうなの? 待って、いや、やめて、まだ心の準備が……いやぁあぁあああぁああ!!!」  なんで如月(この人)こんなに楽しそうなの……!  * 「ねぇ、なんで付き合ってくれないの? 僕さぁ、都合の良いセフレみたいになりたくないんだけど」外れたブラウスのボタンをひとつずつ閉めている皐に訊く。 「私は若くないのだよ、湊。付き合ったところで、後悔するだけだ」皐は床に落ちているスカートをベッドから手を伸ばして拾う。 「……もしかして、そんな年の差(クソ)みたいな理由で僕をセフレにしてる訳?!」  怒りが込み上げ、座っている皐を押し倒す。皐は押し倒されても、表情ひとつ変えずに、神谷を見つめ、答えた。 「……そうだよ。愛情があるから、セフレ(ここ)で止めている。都合よく私のことを利用すればいい」 「僕のことバカにしてる?」腹が立ち、無理やり、唇を重ねる。 「ーーっ はぁ……バカにはしていない。浮ついているような男だろう? 付き合ったところで、どうせ、若い女が良くなるに決まっている」皐は嘲笑い、神谷を見つめた。 「いつもいつもいつもいつも皐のことしか見ていないし、考えていない!! 僕は自分の全てを皐に捧げるつもりでいる!! こんなにも皐のことを愛しているのが分からないのか?! 若い女が良くなる? ふざけ過ぎでしょ!!」怒りが先行し、皐のブラウスのボタンを無理やり乱暴に開ける。 「湊、ボタンが取れた。このブラウス、お気に入り」  やめてとは言わない。いつもそう。何をしても、何を言っても、嫌がらない、全て受け入れる。なのに、交際だけは拒否する。そんなにも嫌なのか? 僕のことが? 「僕はセフレは嫌だ。皐は僕へ愛があって、僕も皐へ愛があるのだから、恋人になるべきだろう?」表情の変わらない皐の目を見る。 「……恋人になってどうする? 結婚するのか? 私と。親には反対され、周りから祝福はされない。子供が産めるかも、分からなければ、お前より先に老い、死ぬ」  手を伸ばし、神谷の頬に触れた。 「あぁ、いいさ。結婚しよう。祝福も子供も要らない。先に老い、死ねばいい。でもその時は、僕も一緒に逝く」  取れかかったブラウスのボタンを丁寧に外しながら、唇に口付けをする。これでいいのだ。 「……お前、バカだろう?」皐は、ふっ、と笑みを浮かべた。 「ひどいなぁ、もう少し言葉を選んでよ」  背中に手を回し、片手でホックを外す。浮いた下着の隙間から手を入れ、胸を触る。 「あっ……」  ポーカーフェイスが崩れる瞬間だ。感情が見える気がして、もっと鳴かせたくなる。片手で膝を持ち、横に倒す。  黒く長い髪の毛が、こちらをとろんと見つめる漆黒の大きな瞳が、ブラウスから見える白い肌が、小柄で痩せた体型に似合わず肉付きの良いカラダが、全てが愛おしい。 「皐さん、やっぱりセフレと恋人は見え方が違うよ」  ブラジャーをずらし、片手で揉みながら愛撫していく。 「あっ、ぁあっ、あっ」  薄目を開け、こちらを見ている。少し目尻が下がっており、色っぽい。手を下に伸ばし、割れ目をなぞった。 「あぁ~~っ み、湊、2回もするのか?」あれ、困ってる。 「皐さんと違って、僕は若いんですよ」  下に伸ばした手を下着の中に入れる。少し濡れている。 「あっ……私が老いた女だとでも言ーーやぁっあっあっ」  老いた女なんて言ってないし。思ってないし。お仕置き。指先で掻き回す。卑猥な音が部屋の中に響く。 「~~みなと、指、奥」だいぶ濡れてきた。 「……毎回思うんだけど、皐のことオーガズムに中々、達せられないのは如月とかいうやつのせいですか?」  一度手を止め、とろりと濡れた指先を口の中へ入れ堪能する。 「……そうとも言うし、湊が下手なのかもしれない」皐はバカにしたように笑う。イラ。 「流石に下手はひどいでしょ~~皐さん!!!」指を奥に入れ、ゆっくり突いた。 「ぁあっん!!」脚が微かに震えた。 「あ、ここ? ここがいいの? 皐さん」奥に入れた指を激しく突く。 「あぁっ、いいよ、湊、あっ、あぁんっ、やぁっあっ」  体がビクつき、脚が閉まろうとするのを手で押さえ防ぐ。激しくすればするほど、指先が濡れていく。甘い喘ぎ声に誘発され、下着を脱がす。脚の間に顔を埋め、愛撫する。喘ぎ声は一層激しさを増す。 「はぁ…あっ、もう、冗談だよ、湊。愛しているよ」皐は湊のスラックスに手をかけ、薄く笑った。  ーーーーーーーーーーーー  ーーーーーーーー  ーーーー  * 「っ!! んぁあっ」  睦月さんに指を入れるのは2回目。ぐちゃ。指が少し動くとローションの音が響く。でもまだ動かさない。 「……きさ……らぎ…さん……?」上目遣いで見てくる。その瞳にそそられる。 「なに~~?」目をじーーっと見つめる。 「………………」考えてる考えてる。その様子がおかしくて、口元に笑みがこぼれる。 「……早くっ!!」  頬を赤く染めながら、目線を逸らし、睦月は言う。素直だねぇ、かわいい。 「ぁあっ ~~んっ待っあぁっ…はぁ…あっ」  指先を動かしながら、奥へ進める。動かすたびに、肩がビクッと反応する。少しずつ、奥へ、もっと奥へ。しっかり慣らす。 「あっそんな、や、っん だめっあぁっ~~っ」  目が半開きになり、口元は緩み、喘いでいる。顔を紅潮させ、時々身体をうねる。そんな姿に下半身が疼く。 「睦月さん、キスしよう?」  訊いておきながら、相手の許可を取らずに、口付けする。 「~~~~っんっ~~」  重なった唇の隙間から舌を差し込む。口内を舌先でなぞっていく。吐息をもらしながら、呼吸を合わせ、ゆっくり、ゆっくり、舌を絡める。そして指を動かしていく。 「ーーっはぁ……ぁあっあっあ んっうぅ~だめぇ~~あぁっ…そんなにっあっ…やぁったら……ぁあっ俺っ…あっ」  ギリギリのところで寸止めし、指を引く。イカせはしない。 「ちょ、もぉ~~っあっ……はぁ…いじわる~~」  頬を染め、薄く涙を浮かべている。口元は閉まりきらない。目線を上にあげ、私を求め、こちらをみてくる。普段は見せない、乱れた顔に、とてつもなく、欲情する。体の中に熱がこもり始める。 「ぁあっ…はぁ……後ろだけじゃなくて……前もぉ……」  触りたくて堪らないのだろう。気持ち良さでうつろな目になっている。 「……ふふ、しないよ~~我慢して」バスローブを広げ、胸元を撫でる。舐めちゃおうかな。 「っ!! ん~~っっはぁ……ぁあっ…ちょ、えっ、あぁっ」  舌先で刺激すると顔を赤く染め、逸らされた。ここも弱いと。指でつまんで遊びながら、感じて赤くなる睦月の顔を楽しむ。ついでに疎かになっていた指を動かす。 「はぁ……あっ だめっぁあっあっ はぁ…あぁっもぉ…あぁあっんっ~~んっん~~んっ」  はぁ、涙で瞳が潤んで、すごく可愛い。可愛さのあまり、喘ぐ口に唇を重ね、塞ぐ。唇の向こうで籠った声で鳴く睦月に性欲をくすぐられる。  そろそろフィナーレに向けて、もう少しだけ、快感を味わい自分の気持ちを昂めたい。 「ねぇねぇ、睦月さん。私にも何かやってくださいよ?」唇を離し、手を止め、睦月を見つめる。 「…っんはぁ…はぁ…はぁ……ぇっ?」  入れている指を優しく抜く。どろどろした手で、睦月の顔に触れ、少し擦りつけてから、手を離す。欲情に燃えた瞳で見つめてくる顔に液体が垂れ広がる。その淫靡な姿に身が震えた。
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