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24話(3) #
「さ、流石にバレるんじゃない……?」外にみんなが居ると思うと急に恥ずかしくなってくる。
「いちゃいちゃしたいって言ったのは睦月さんですよ」如月の顔が近づいてくる。
「っん……んっ…ん…」唇が重なる。手首は掴まれたまま。痛くはない。攻められてる感に感情が昂揚する。唇が舐められた。開けろってこと? 小さく唇を開く。
「んっ……っん……んふ……んんっ!……っん…はぁっ…」小さな隙間から如月の舌が入ってくる。口内で感じる、如月の体温。舌と舌を密着させるようにゆっくり絡め合う。手首が離され胸元へ手がきた。そういえば服、着てなかった。舌が帰っていく。
「ふふ。服着てないから触り放題。あんまり大きな声出しちゃダメだよ。バレちゃうから」
「分かってーーぁあっ…」突起が指先で弾かれ、肩がビクッとする。
「そんな声出したら誰か来ちゃうよ」誰か来て見られたら……と思うと恥ずかしくて頬が赤く染まる。
「あっ……っん……ぁっ…だ、だめ…ん…はぁ…ぁあっ」声が聞こえないように口元を手で押さえる。指先で何度も何度も擦られ、気持ち良さで手がズレてきちんと押さえきれない。
「声、抑えれてないよ? 卯月さん が来ちゃうかも」
「えっ? あっ…だめっ……っん…ぁっ…んっ…だめっあぁっ」突起を立たせるようにつまんでくる。軽く甘噛みされる。生暖かい舌の感覚。円を描くように舐められ、官能的な痛みと気持ち良さが走る。下半身が膨れ上がるのを感じた。
「お兄ちゃんどこ~~?」あ…ぁあ!!
「探してるね」如月は妖しい笑みを浮かべ、睦月のパンツの中へ手を入れた。
「待って!! そんなの今やったらバレちゃうっ……」もぞもぞと次は下着の中へと手が入ってくる。
「っんぁっ……あっ…んっ……やめっんっ…ぁあっ…ぁっ」指先が入ってくる。ぐにぐにと中で動いている。快感で体の中が熱い。
「せっかくお肉焼いたのに、お兄ちゃん居ないんだけど」今は持ってこなくていい! 戻れ!! 言いたいことと違って、いやらしい声しか出せない。
「……んっ…ぁっ…はぁ…ん…はぁ……ぁ…んはぁ…」気持ち良さで目が開けづらくなる。バレないように声を我慢してるのに、指先は止まらない。
「縁側かな?」卯月の足音がする。
「ほら、近づいてきたよ。今声出したらどうなるかな?」如月は指先で前立腺を刺激し始めた。
「ちょっ…きさらぎっ…はぁ…んっ…あっ…っん…やっ…ああっ…」指先が中で気持ち良いポイントを巧みに押してくる。
「お兄ちゃん?」卯月が覗いた瞬間、指がスッと抜かれた。見られた?! どっち?! 緊張と恥ずかしさで鼓動が速くなる。顔が熱い。
「あ、卯月さん。睦月さん、暑くてバテちゃったみたいで、休んでます」如月はクスッと笑いながら、言った。
「そっか!! 顔、真っ赤だもんね? お肉ここ、置いておくね」卯月が紙皿を縁側に置き、庭へ戻っていくのが見える。
バレてない?! なんというスリル……。見られたかもと思うと本当に恥ずかしくて堪らない。赤くなった顔を両手で隠す。
「じゃあ、続きしよっか」如月は再び、睦月に覆い被さった。
「え? す、するの?」次はバレるかもしれない。そのドキドキ感に感情の熱が高まる。
「しないの?」
「する……」恥ずかしくて目を伏せる。
「ふふ。睦月さんのえっちぃ~~あ、四つん這いになって」如月が背中を押してくる。
「へ?」言われるがまま、四つん這いになる。恥ずっ……。見られたらどうするの!!!
「いいね、ちゃんと後ろから抱きしめてあげるから大丈夫だよ」何が?!
ぎゅ
「さ、はじめよっかぁ」
「っんぁあっ……ちょっ…ぁっ…っん…っ…ん…あぁっ…」指が入ってきた。声はなるべく出さないように我慢する。背中から如月の体温を感じる。熱い。指が前立腺にっ……。
「あっだめっ…んっ…はぁ…ああっ…っん…はぁ…ん…ぁっあっ…やめっ…あっ…だめっあぁっ」駄目と言っても前立腺を突いてくる指先。四つん這いになっている手と腿が快感で震える。
「誰か来るしれないのにこんなに感じちゃって…えっちだねぇ~~」そんなこと言わないで。恥ずかしい。顔が赤く染まる。
「あ、誰かこっち見てるかも」
「えっ…やだぁあっ…んっ…あっ…はぁ…ぁあっ」体がビクビクする。目がきちんと開かない。涙が出る。後ろだけでイキそ……。
「こんなところで何してるの?」え?
突然の背後から義母の声。光の速さで指が抜かれる。如月は一瞬で、睦月から離れ、振り向き、笑顔を作って言った。
「睦月さんが指輪落としちゃって~~この辺に転がっていったというかぁ~~ねっ、睦月さん?」突然振られても!! ほんと嘘つき!!
「え? う、うん。ど、どこかな~~~~」目尻の下がった目や涙が溢れた顔は見せられない。四つん這いのまま探しているフリをする。
「そう。今からスイカ切るから、お庭きてね」
「「はぁ~~い」」義母の背中を見送る。焦ったぁ。ドキドキドキ。鼓動が速くなる。
「……危なかったね~~四つん這いで良かったね。誤魔化せたご褒美あげる」前に手が添えられ撫でられた。
「~~~~っ前触ったらでちゃう~~っ」撫でたかと思うと、手はまた後ろに移動した。
「ぁああっ…もうむりだってばぁ~~っ…あっ…やめっんっ…あぁっんっ」再度、指が挿れられ、激しく掻き乱し、突き始める。
「あれ? イクの? イッてるところ、誰かに見られちゃうかも」如月のクスクス笑う声が聞こえる。羞恥心を感じ、目をギュッと瞑る。目を瞑っても気持ち良さで目尻から涙が流れ続ける。
もう、恥ずかしくて頭爆発しそう。
絶頂へ誘うように、自分の中にある指先は激しさを増していく。
「ぁあっ…あっやっ…ああっだめっ…きもちよくて…おれっ…あぁっ…こんな…はぁ…とこでイッ…っんっぁっあっ…あぁあっ!!」全身はガタガタ震え、身震いするほどの快楽と倦怠感が押し寄せた。
あぁ、しかも出ちゃった。恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。羞恥で顔だけじゃなく、耳まで赤くなる。
「あれ~~? ドライオーガズムだけのつもりだったのに。出ちゃったね、睦月さん」ねちゃ。拭き取るように前を触ってくる。やめて。立っちゃう。
「ふふ。固くなってる。出ちゃったばっかりなのに? あっ…また大きく…可愛い」
「……………やめて」恥ずかしくてこれ以上何も言い返せない。ごろんと、横になり、片手で顔を隠す。
「ほら、みてみて? こんなに出ちゃったよ」少し振り返り、如月を見る。べとべとした手のひらを見せて微笑んでいる。
目が合うと、如月は舌を出し、手のひらに付いたどろどろしたものをぺろっと舐めた。
「ちゃんと、舐 め た よ ふふ」
「……恥ずかしくてしにそう……」
でも、如月が俺から出たものを舐めてるって思うとちょっと嬉しい。
こんなことして気持ち良くなったり、如月が手のひら舐めてる姿にすごくドキドキしたりして……。
俺って……どんだけえっちなの……!!
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*
しゃり。縁側に睦月と横並びに座り、カットされたスイカを食べる。気持ちよくなって頂けたようで、良かった。
最近、2人きりでまともにデートしていない気がする。
気がつけばえっち。2人になるとえっち。いちゃいちゃしてるとえっち。えっちばっかり!! やだそんなの!! お盆だし? 睦月さんと2人でお出かけしたい!!
デートに誘おう!! 場所とか決めてないけど!! せめて予定だけでも決めよう!!
スイカを食べながら横目で睦月を見る。両手で美味しそうにスイカにかぶりついている。かわゆい。
「スイカ冷たくて美味しいね!」にぱぁ。はぁあぁあ!! かわいい!! スイカ似合う!! なんという破壊力!!
「えっ……そ、そうですね……」ドキドキドキ。
なんか……その笑顔に緊張して言えない!!!
スイカが睦月さんを武装させてるせいで誘えないんだな!! スイカを取り上げよう!! スイカがなくなれば、防御力が下がって誘えるかもしれない!!
睦月の持っているスイカを横からかじってみる。
かぷ
「あっーーーー!! なんで食べるの!! 自分のあるでしょ!!」大きな瞳が上目遣いで私を見つめる。かわいい。しぬ。
「いや…えと…その……食べたくなったから……?」その瞳に、もじもじ。どうやってスイカを取り上げれば。
「交換する?」
チャンス!!! 交換すると見せかけて、スイカを奪おう!! 私のスイカはあげない!! おけ!! そしてデートに誘う!! おけ!! これで行こう!!
「そ~~ですね……そのスイカください」睦月に手のひらを見せる。
「どうぞ?」スイカげっと!!!
「………………」
「………………」誘えない原因はスイカではないと今更悟る。気まずい。
「ス、スイカ……一緒に食べません?」スプーンでスイカを掬い、睦月の口元へ運ぶ。
「いいけど?」開かれた口にスプーンを差し込む。
ぱく
食べたぁ~~~~っ。大体いつも、あ~~んされる側だったし。なにこれ。いい!! あーんの時、目瞑るのかわいい!!
「俺もやりたい。スプーンかーして」
「ど、どうぞ」スプーンを渡す。
スプーンで掬われたスイカが口元へ運ばれてくる。薄目でみながら、口を開ける。口内にスプーンが入ってくる。軽く口を閉じるとスプーンが抜かれた。冷たいスイカが口の中に広がる。自分で食べるより美味しい。
「美味しいね? 如月」
「睦月さん、すっごく美味しいです」
なんだか、照れくさくて、頬がほんのり染まる。予定とは違うけど、今なら言えそうな気がする。
「……睦月さん、明日デートしませんか? 2人で」恥ずかしくて、下を見る。
「ぇえ? 如月が誘ってるくれたぁ~~嬉しい~~」
嬉しそうに笑ってる睦月を見ると、勇気を出して、誘って良かったと思える。
「どこ行く~~?」顔を覗き込まれ、恥ずかしくて、ゆっくり顔を反対に逸らす。
「ちょっとぉ~~!! なんで逸らすの!! 顔見せて?」顎を掴まれ、顔の向きが変えられる。
「ほっぺ、真っ赤だし……ん」睦月の顔が近づき、唇が重なった。スイカで冷えたのか、唇が冷たい。熱くなった顔には気持ちが良い。
「……私、ひまわり畑見に行きたいです」
「好きだね、花。いいよ、行こ。でも俺、もう少しキスしたいな~~」睦月の手が私の肩に触れる。
「何言ってるんですか~~みんな居まーーちょっと!!」肩が押され、背中が縁側に付いた。
「もう今更だって~~キスしよキス。ん~~っ」
「~~~~っ」睦月に覆い被され、唇が重なり塞がる。
「あーーあ、全く見てらんないね~~、あっち行こうか卯月ちゃん」
「そーだね、小春さん」
小春と卯月は呆れながら顔を見合わせ、2人の側から離れた。見計らうように唇が離される。
「~~~~っはぁっもう睦月さんてばぁ」
如月は頬を赤らめ、小さな声で言った。
「……大好きです」
両手で睦月の頭を挟み、自分の顔へ近づける。
「そう来なくっちゃ」
再び唇が触れ合う。
覆い被さりながら、膝を曲げて左右の脚を楽しそうにバタバタ動かしている睦月をみて、幸せな気持ちになり、笑みが溢れた。
「俺も弥生さんが大好き……っん」
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