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第30話
「……う、うん。……っ、ぁ……、ぁ……」
聞かれて、伊織の背中に手を回した。ゆっくりと伊織が腰を押しつけてくる。後孔のしわが限界まで広がって、めり、と音がしそうなほど引き伸ばされたと思ったら、中に雄が入ってきた。
「う、ぅっ……、ぁ、ぅ……」
(き、つい……、てか、苦し……)
散々弄られたからだろうか、雄の先の、一番太いところが入ってきたとき、一瞬痛いと感じただけで、入ってしまえばそれほど痛いとは思わなかった。痛くはないけれど、苦しい。触り合った時に大きいなと思ってはいたが、中に入れられたらかなりのサイズなのだと実感させられた。
「っ……、雄大、平気か?」
どのくらい入っているのかは知らないが、まだ先のほうなのだろう。雄大だって女の子とするとき、いきなり奥まで突っ込むようなことはしない。普通は先を入れて、様子を見ながら徐々に中に突っ込むのがマナーだと思う。雄大に気を使って声をかけてくる伊織が無茶をしてくるわけがないから、たぶん、まだ先のところが入っただけ、のはずだ。
「ぅ、ぁ……、伊織、今……、どんくらい?」
「え? ああ、先入ったとこ、くらい。痛いか?」
(あー、やっぱり。けど……)
入れるのと、入れられるのはまるで違う。伊織の答えは雄大の想像どおりだったのだけれど、腹の中で伊織の雄が『入っていますよ』と主張してくる。苦しいのは間違いない。けれど、熱くて、すごく不思議な感覚だ。
「痛く、はない、大丈夫……、だと思う……」
(うん。たぶん、平気……)
苦しいけれど、痛くはないし、何より伊織と繋がっている。
「ゆっくりいく。きつかったら言って」
止まってくれていた伊織に言われて、雄大は頷いた。ふぅ、と息を吐いた伊織が腰を進めてくる。ずり、と肉壁を擦り、伊織の雄は少しずつ雄大の中に入ってきた。
「ぅ、ぁっ……、ぁ、あぁっ……」
「っ、は……、雄大っ……」
真上で息をつめる伊織。平気だと言ったものの、進んで来られると当たり前だが圧迫感が増す。指で届く限界くらいまで入っているのかな、などと思っていたら、伊織に胸粒を摘ままれた。びくりとして、尻に力が入る。
(ヤバイ、結構苦し、っ……、って、何?)
「ちょ、ま、待って! 伊織、ストップ! とま、っ……」
慌てて覆いかぶさっている伊織の肩を掴む。グイと押して、伊織を制止した。
(ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。何これ? どうなって……)
伊織の雄が当たっている中の壁。お腹側のどこかじんじんする。くすぐったいとも違うし、屹立を触られるような気持ちよさでもない。けれど、指で弄られたときに感じた、力が上手く入らないような感覚。逃げたいのに、もっと擦りつけたくなるような、なんともいえない感じがして、怖くなった。
(尻の中、マジで変だ……)
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