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第10話

花嫁のお茶会で、この世界での俺に対する評価を知った。 不本意ながら、俺はとても可愛いらしい。 俺以外の花嫁たちも華奢で可愛いと認識されている中で、さらに華奢で小さく、母似の童顔である俺は完全なる庇護対象と見做(みな)されるとの事。 南の魔王(いわ)く。 「思わず構いたくなるんだよな。柔らかそうで触りたくなる」 西の魔王(いわ)く。 「放って置けないですね。心配で、守らなくてはと思ってしまいます」 東の魔王は、頷いていた。 彼は無口らしい。 花嫁仲間(いわ)く。 「まあ、北の魔王様の逆鱗認定されてるなら、危ない目には合わないだろうね。良かったね。周りがどうなるかはわからないけど」 確かに。 指でつついただけの南の魔王は、お茶会中ずーっとゼロに睨まれてた。 「ゼロ、喧嘩しないで」 「二度と俺以外に触れさせるな」 「あー、うん、わかったから、服の中に手を入れるのやめてくれる?恥ずかしいから。俺だって怒るよ?」 さすがにみんなの前でそーゆーのは無理。 ここはしっかり躾けないと・・・。 「ふ、怒った顔も愛らしいな」 こいつ・・・。 「北の魔王が笑ったの初めて見たな」 「幸せそうで何よりです。北の花嫁も、大目に見てあげてください」 だめだ、甘やかしたら。 そもそも、俺はずっとゼロの膝上でイチャイチャ状態だけど、他のみんなは全然そんな事してない。 いくら魔王の花嫁とは言え、やっぱこれは異常なのでは? 「僕たちも、城に帰ったらまあ、それなりに・・・」 「さすがに3歩も離れられないって事はないけどな」 「伴侶が仕事してる間は自由だよ」 遅れてきた俺が・・・ゼロの伴侶になっちゃった俺が・・・悪かったのか・・・? そんな理不尽あっていいのか・・・!? 「ねえゼロ、やっぱ首輪はずしてっ!俺だけ自由時間ないっ!寒くてもいいから城の外も散歩したいっ!」 「よしよし、春になったらな」 頭撫でるなーっ!!
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