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18 拍子抜け

それから土日の記憶が朧げで、気づいたら月曜日の朝になっていた。 こんなに学校に行くことに緊張したことはない。 中等部の編入試験くらい緊張している。 八王子くんとどんな顔をして会えばいいのか。 それに、八王子くんのことを考えると、なんだか乳首がムズムズして、下も軽く勃ってしまうようになってしまった。 今でさえこれなのに、あの続きをされたら、僕は四六時中ピンクなことを考えるエロガキになってしまうんじゃないだろうか… 八王子くんとこういうことがしたい女の子なんて五万といるはずなのに、なんで僕なんだろう? 八王子くんがゲイとか? それとも、女の子に飽きちゃって男をつまみ食いしたくなったとか? そんなことをぐるぐる考えてはいたけれど、僕ができることは彼に会うために、言われたことに従うだけ。 そもそも、何も八王子くんにメリットなんかないのに会ってもらえてた方が不思議だったのかも。 僕なんかの体を差し出すことで、毎日会ってもらえるなら安いものじゃないか、というところに収束した。 そして僕は、男同士のセ…、セ、セックスについて検索した。 肛門を使うのか… 新たな情報の嵐に、僕の脳は沸騰寸前だ。 金曜日から3日間、休み休み情報を取り入れた。 八王子くんの指が痛すぎて断念したのは、僕が悪いわけではないらしい。 拡張には時間がかかるのか… でも、八王子くんの手を煩わせるわけには行かない。 僕は意を決して、日曜日にドラックストアでローションを購入し、夜にそれを使って指を入れてみることにした。 あの日よりだいぶスムーズに飲み込んだ。 潤滑油があるし、僕の手は彼の手よりも小さいからっていうのもあるだろうけれど… こないだよりは恐怖心もマシになっていた。 なにより、八王子くんの役に立ちたい。 その一心で、僕は懸命に指を動かした。 学校に着くと、八王子くんはすでに教室にいて、クラスメイトと談笑している。 一瞬目が合った気がしたが、すぐに逸らされた。 いつものことなので、金曜日のあれは幻だったんじゃないかと思った。 が、彼を見た瞬間の体の疼きが「幻ではない」と言っているようだった。 なんだか発情期の動物みたいなことばかりを考えてしまい、上の空で授業を受けてしまった。 ただでさえ低い学力がさらに低迷しそう。 お昼になり、僕は鍵を握りしめて、八王子くんが席を立つより早く、教室を出た。 今日からは僕が鍵を開けるんだから。 文化祭前のように、少し遠回りのルートを全力疾走し、机を拭く。 一列に並んだ椅子を見て、僕、ここで射精しちゃったんだったと、恥ずかしくなる。 1人で赤面していると、いつの間にか到着していた八王子くんが、僕の2個隣の席に座った。 僕が緊張でガチガチになっていると、彼はしれっとお弁当を出し、「頂きます」と言って食べ始めた。 僕も「今日は早く完食しなきゃ」と慌てておにぎりをかじる。 が、先に食べ終えた八王子くんはただ僕の膝を借りて眠るだけだった。 始業5分前のチャイムが鳴るまでぐっすりと。 八王子くんがいつにも増して何を考えているのか分からなかった。 そして、期待していた自分が死ぬほど恥ずかしかった。

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