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24 く、唇が…※
「もう入る」って何度言っても、八王子くんは手を止めてくれなくて、僕は息も絶え絶えだった。
自分で拡張するのはまあまあ苦痛で、自分の指が2本入るのが限界だったのに…
「3本入った」
八王子くんが怪しく微笑む。
指を止めてくれないので僕は
「んあ…、うしょぉ…、ひぅ」
と、情けなく喘ぎながら返事をした。
指が抜かれて、僕の足の間に八王子くんが来る。
本当にするんだ、と思うと僕は恥ずかしさやら、期待やらで、内腿が震えた。
「あっ、あの、ゴム…」
と僕がおずおずというと、一瞬動きを止めてからため息をついて僕を見下ろした。
「それくらい俺だって持ってるんだけど。
山路にはムードとかないわけ?」
そう言い捨てられて、僕は「ご、ごめん」と謝った。
で、でも、こんな汚いところに、指はおろか、王子の大切なところまで生で入れさせるなんて…、絶対だめ。
八王子くんが、自分で取り出したゴムのフィルムを破り開ける。
意外と乱雑なところが男の子っぽくてときめいてしまう。
ゴムを装着している様子を思わずガン見してしまったけれど…、大きい…
なんか、僕のと全然違う。
僕の粗末なものを彼に見られた上に握られたなんて…、恥ずかしすぎる。
「見過ぎ」と、彼に鼻で笑われて、僕は顔が真っ赤になる。
そんな顔すらもかっこいいんだもん。
膝に手を置かれ、足を広げられる。
そして、質量のあるそれの先端が、僕の後孔に押し当てられる。
ついに最後まで…!
そう感動したのも束の間、身を引き裂かれるような苦しさに僕は声にならない声をあげる。
「うぅ…、ぐ…」
お尻の穴が熱い。
あんなに丁寧に解してもらったのに…
「きっつ…、力抜いて」
八王子くんが余裕がなさそうな顔で言った。
あ…、そんな顔もかっこいい…
なんて思ったのも束の間、彼の顔が近づいてきて、唇を塞がれた。
「んん!?」
えっ!?
ぼ、僕、八王子くんとキスしてる!?
僕は混乱して、肛門の痛みや苦しさを忘れてしまった。
その隙をついてか、ぐっと彼が入り込んできて、僕のお尻に彼の腰骨が当たった。
ぜ、全部入った…?
八王子くんの顔が離れ、「全部入った」と彼が言った。
「痛い?」と聞かれたけれど痛みはなかったので首を横に振る。
「動いていい?」
「あ、う、うん。僕は大丈夫だから、八王子くんの好きにしていぃ…、あうっ!?」
話している途中で、杭が引き抜かれて、さっきより深く打ちつけられた。
内臓を押し上げられている苦しさと一緒に、指で嫌と言うほど「気持ちいい場所」だと教え込まれたしこりが押しつぶされて気持ちいい…
僕の様子を見て安心したのか、八王子くんが容赦無く僕を突き上げる。
指で弄られていた時とは比べ物にならないくらい、「八王子くんとセックスしている」実感が、僕をどうしようもなく昂らせた。
声を我慢するために咥えたジャージもぐしょぐしょになっていた。
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