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45 奥の奥※
「山路、もう潮吹けるんだ」
「しお?」
仰向けのまま、息を整えてる僕のお腹を、まるで出したものを塗りつけるように八王子くんが撫で回している。
「AV以外で初めて見た。
これ出せんのって才能らしいよ?
淫乱の才能があるんじゃない?」
「なっ!?ない!そんなのない!!」
相手が学園の王子だと言うことを忘れて、思いっきり言い返した。
なんでそんな恥ずかしいことを言うんだろう。
「こんな姿見せたら、花井も学校のやつも、山路のこと嫌いになるかもね」
「え…」
僕はクラスの人から好かれてはいないと思う。
けれど嫌われてもいない…、はず。
空気みたいなものだし…
中学の時は火野くんたちにいじられはしたけれど、いじめではない、と思う。
でも、嫌われたら?
いじめられたり、揶揄われたりしたら、学校には通えなくなるだろう。
そんなの嫌だ。
「やめて…、言わないで…」
僕は泣きそうになりながら、八王子くんの服の裾を掴む。
「山路のくせに指図するな。
せいぜいバレないように過ごせば?」
今日は一段と八王子くんが意地悪い。
「バレないようにって…」
こんなこと、八王子くんとしかしないんだから、彼がバラさない限り、知られようがないんだけど。
強烈な快楽の後で、回らない頭でぐるぐる考えていたら、八王子くんの指が僕の後孔に差し込まれた。
「ひっ…」
いつの間にか潤滑油をまとわせていたみたいで、違和感とは裏腹にずるりと奥まで入った。
「柔らか…。本当に解してきたんだ?
ノリノリじゃん」
「ちがっ!?やっ…、もう入るからっ!
もぅ…」
恥ずかしい言葉を言われながら、体を触られたりすることに耐えられない。
僕が嫌がっているのを分かっているのか、
八王子くんは執拗に僕の中を弄る。
ちゃんと気持ちいいのが辛い。
彼が満足する頃には、僕は疲れ果てて指一本動かせなかった。
「自分だけ気持ちよくなっててずるい」
そう言って彼は僕の足の間に体を入り込ませた。
これからするの!?
数回経験して気づいたけれど、八王子くんは僕よりもずっと射精までが長い。
ただでさえ、クタクタなのに…、もう無理…
「やっ…、今日はもうダメ!
明日っ!明日がんばりゅっ!??お"っ」
僕の抵抗なんてなんのその。
八王子くんの大きなそれが僕の中に埋め込まれる。
と、馴染むのも待たずに挿出が始まる。
力強く押し込まれるので、僕のお腹からグポグポと今まで鳴らなかった音がする。
これ…、入っちゃいけないところに入ってしまいそうで怖い。
「だめっ!ほんとにっ!!ダメなとこ入る!
八王子くっ…、やっ」
「だめだめ煩い」
イラついたのか、八王子くんが僕の足を掴んで、さらに奥は腰を打ちつけた。
「あ''ぁ"っ!?」
苦しいのか気持ちいいのか分からない。
目の前が真っ白になり、体が意思に反してビクビクと跳ねた。
「あぁ…、結腸気持ちいい」
八王子くんが恍惚とした表情で、腰をぐりぐりしている。
温かい感触がして、中に出されたのだと思った。
こんな深いところに出されてしまって…、ちゃんと体内から出てくるだろうか?
僕がうとうとしかけていると、
「俺、よく寝たから超元気なんだよね」
と、八王子くんがとんでもないことを言った。
僕が青ざめていると、
どこからともなく「ぐ〜」っと気の抜ける音がした。
八王子くんは「はぁ」とため息を吐いた後、
「やっぱり腹減ったな」と言って立ち上がった。
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