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5.Bump~運命の出会い

『警戒するな』だと?  そんなの、するに決まってるだろう?  こんな食べ物ごときで、オレを懐柔(かいじゅう)できるなんて思ったら大間違いだ!  だって、お前たちはオレたちスラム街の人間がどうやって暮らしているかも、少しも気にかけないじゃないかっ!!  しかも、この男がこうして優しくしてきても、最後にはオレを兵士に突き出すかもしれないんだ。  信用なんて、できるはずがない!! 「……お前、よくもオレの邪魔をしてくれたな!! お前さえあらわれなきゃ、食いもんを地面に落とすこともなかったし、病気の母さんや、今年7歳になったばかりの幼い妹も今日一日、腹を空かせることもなかったのにっ!!」  オレは、父さんが亡くなってからずっと感じていた、今までの溜まりに溜まった鬱憤(うっぷん)を晴らそうと、勢いにまかせて早口でまくし立てた。  オレだって、この男に文句を言ったって何も解決しないことはわかっている。

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