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6.Bump~運命の出会い

 これはただの八つ当たりだ。  実際、コイツが兵士たちに囲まれた時現れてくれなければ、オレの命はあの場で消えていただろう。  盗みを働いた者には重い処罰が待っているのは事実だ。  死刑か、あるいは終身刑か――。  オレが明日の食料を探すこともできなくなってしまえば、病気の母さんと幼い妹は行き倒れてしまう。  だから目の前にいる男が、この後オレをどうするのかは別として追いかけてきた兵士たちから助けてくれたことについては感謝こそすれ、怒るのは間違っている。  だけど、だけどさ……。  それでも……と、そう思うのは、食べ物も手に入れたかったという、欲張りなオレがいるからだ。  オレは胸で荒い息をしながら、ただ押し黙った。  男は、そこまで言ったオレが、どんな生活をしていたのかを理解したらしい。  整った眉をハの字にすると一度考えるように唸り、ポケットから青々と輝く大粒の宝石――サファイアを取り出した。

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