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2.Night~捕らえられて
だけど決定的な証拠がないし、金貸したちもれっきとした商いだからそれを罰することはできないと、見逃していた。
――どうせ、自分たちには直接的な危害が及ばないから放置しているんだろう。
いつだって困るのは、権力がない弱い立場のオレたちばかりだ。
押し込まれたテントの中は、外見よりもわりと広かった。大人4人がいても窮屈さはなかった。
テントの入り口はしっかり塞げるようになっていて、風に乗って舞い上がる砂漠の砂が入り込まないようにしている。
そのおかげもあってか、外は真っ昼間だというのに、テントの中は太陽が沈みかけた夕方のように薄暗い。
それを補うようにして、天井ではオレンジ色の小さな豆電球がテントの中を照らしていた。
そしてオレは今、3人の男たちに品定めよろしく見下ろされている。
ココの奴らはみんな、金がある奴が一番偉いと思っている馬鹿ばっかりだ。
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