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7.Night~捕らえられて
ものすごくイヤな感じがする。
(わからないけど逃げなきゃヤバい!)
なんとかココから抜け出そうと体をひねってみるものの、やっぱり数には勝てない。
しかも縛られているからなおさらだ。後ろに縛られた腕がギリギリと悲鳴を上げる。
「っ、何をする気だよっ!!」
「今にわかるさ、身をもってな......」
男はそう言うと、オレの上着を顎の部分までめくり上げた。
腕を縛った奴に上半身をむき出しにさせられた。
頭が注射器をポケットから取り出す。
小瓶を傾け、中に入っている液体を注射器で吸い上げていく。
その光景を見た瞬間、オレの体が冷たく凍った……。
「やめろっ! はなせっ!!」
嫌な予感がする。
(マズイ! どうにかしてここから逃げないと!!)
オレは必死に暴れた。
「静かにしろや!」
オレの顔を地面に押さえつけた。
(身動きできない!)
ドロっとした液体が注射器の針を伝うのが見える。
(怖いっ!)
「はなせっ! 嫌だ!!」
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