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17.Night~捕らえられて
ジャンビーアは幼くして父親を亡くしたオレにとって、父親代わりになる大切なものだ。
今まではそれがあったからこそ、どんな苦痛も耐えられた。
生きるために盗みをはたらき、多少なりとも王直属の兵士どもとも刃を交えたことだってある。
どんな過酷な状況であっても、ジャンビーアと共に生き抜いてきた。
オレにとって、父さんのジャンビーアが何より大切な宝物なんだ。
(それを、オレが大嫌いな奴らに奪われ、しかも売られるなんてっ!!)
ありったけ体を伸ばしてオレがジャンビーアを取り戻すための行為。
だけどそれは奴らの手助けをしてしまった。
それがわかったのは、すぐ後だ。
「こいつの腰、引き締まっていて、なかなかいい形してるじゃねぇか......」
(……な……に?)
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