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1.Refusal~涙の理由

 ――夜が明けて今日になった。  そして、オレはヘサームに身柄を拘束された。  ココは、奴の家。  はじめてココを訪れたのは、盗みをはたらいて、兵士たちから逃ていた時だったっけ……。  食べ物を分け与えてくれたヘサームが神様にも見えたくらいだ。  感謝してもしきれないくらい、とても嬉しかった。  これで家族みんな、飢え死にしなくてすむって、そう思ったのに……。  だけど現実は違った。ヘサームは兵士のひとりで、しかも媚薬に溺れるオレを組み敷き、喘がせた。  ココは、憎きヘサームの寝室だ。  オレの右手首には、硬い鉄の腕輪が取り付けられ、長い鎖で天蓋がついたベッドの柱に繋がれている。  オレの体には、さすがのヘサームでも、裸のままにさせるのは気が引けたのか、カンドーラが着せられている。

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