92 / 158
4.Refusal~涙の理由
『自分さえ健康であれば』とそう言って、自分を責めるかもしれない。
そんなことになったら、いつかは治るかもしれない病が治らなくなる。
それどころか、気負うことによって、もっと重い病にかかるかもしれない。
男に貫かれた孔に意識を向ければ、ほんの少し、痺れるように感じた。
「っふ……っ」
オレをこんなふうにした人買いや金持ちたち。
オレを裏切ったヘサームが憎い。
そして何より、そんな奴らに体を開いた自分自身に腹が立つ。
とてつもない悲しみと憎悪。
それらがオレの中でぶつかり合い、目から涙があふれてくる。
……最悪だ。
男に組み敷かれるなんて!!
いくら媚薬のせいだっていっても、自分から体を開いて相手を欲しがるなんて!!
「……っつ、ぅうっ!!」
父さんの形見であるジャンビーアも……。
男としての立場も……。
全部、失った。
ともだちにシェアしよう!